magic
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


『夢の北海道ツアー』


今年も恒例の北海道周遊、
演芸ツアーに呼んでいただいた。
ありがたや、ありがたや。

いつも6月開催で、梅雨のジメジメ東京から
カラリン北海道に脱出できるのも嬉しい限りだ。

だが、今回の旅のお供は久しぶりのギックリ腰と五十肩、
やれやれ、どうなることやら。

蒸し暑い日曜日の夕方、私は羽田から最初の目的地、
釧路へと飛んだ。

釧路駅近くのホテルに到着したのは午後8時近く、
すぐさま出演者の皆さんと炉端焼きの店へ。

まだ仕事もしていないのに、
打ち上げ飲み会はちゃんと開催されるのも、
このツアーのありがたいところなのだ。

北海道の、しかも釧路である。
海産物が新鮮で美味いに決まっている。
私の好物のイカは、まる焼きにして食べます。
うまうまでございます。

以前、釧路に来た時の食事を思い出した。
私は当然のようにカニだのイカだのを食べたかった。
しかし、現地の方はそれらをすっかり食べ飽きていて、

「最近、イタリアンの店ができたんすよ。
 そこに行きましょう」
ということになり、珍しくもない、
カニもない、イカもない打ち上げになってしまった。
切ない釧路の夜もあったのだ。

今回は、イカも魚も焼き食べ放題、嬉しいのなんのって。
ところが油断大敵、このツアーならではの、
気をつけなければならないことがある。

どこの打ち上げでも、時価は頼んではならないのだ。
海鮮でも焼肉でもジンギスカンでも、
時価のものは注文してはならない。

以前のこと、時価と書いてあった魚、
ノドグロを頼んで食べた芸人さんがいた。
すると、その芸人は二度とこのツアーに呼ばれなくなった。

私は時価のものを避けつつも好物はしっかりといただき、
初日の打ち上げはお開きとなった。
ホテルの部屋でシアワセを噛みしめつつ就寝。

翌朝、部屋から霧雨に煙る釧路の港を眺め、
朝食会場へと向かう。

北海道といえば、朝食ビュッフェも大きな楽しみ。
新鮮な魚介ももちろんだが、
ジャガイモやブロッコリーなどの野菜がこれまた美味い。

あれこれ食べて大満足なのに、スープカレーの鍋を発見、
ついつい少量ながら食べてしまった。
あぁ、北海道は美味しすぎる。

食べてばかりじゃいけませんよ、ということで、
北海道周遊、演芸ツアー初日の出番は午後1時から。
持ち時間は20分ほど、無事に務めてすぐさま釧路駅へ。

13時38分、釧路発のスーパーおおぞら8号に飛び乗って
帯広へ。

帯広も雨だった。
歩いている人は長袖、ジャケット。
中にはダウンの人もいる。

寒い。
だが、この寒さも北海道ならではの贅沢なのだ。
雨に降られて余計に寒く感じるが、
おじさんのお肌は珍しくしっとり、乾燥知らず。

帯広駅の近くの蕎麦屋で、温かいとろろ蕎麦を食べた。
まるで冬に戻ったような寒さの中、温かい蕎麦が嬉しい。

帯広公演の出番は午後7時45分から、
釧路も帯広も空気は冬のように寒いが
お客さんの反応は温かいのだった。

旅はまだ始まったばかり、さぁ、次は何処へ。

                (つづく)

ツイートするFacebookでシェアする

このページへの感想などは、メールの表題に
「マジックを読んで」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2016-07-03-SUN
BACK
戻る