MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


『染めるべきか、染めざるべきか』

まったく、どうでもいい話なのだが、
最近、白髪を染めた。

これまでも、白髪が目立つ度に染めていた。
しかし、ある日から染めるのをやめていたのだ。

別に意味とか理由があってやめたわけではなく、
ある日、自分の髪のどれくらいが
白髪になっているのだろうかと
気になっただけなのだ。

美容室で髪を切ってもらうと、
だいたい4割くらいが白髪になっていた。

だが、それも悪くないと思った。
年相応だし、なんだか本当の自分に
会ったような気分さえしたものだ。

ところが、これがどうも評判が良くない。
久しぶりに実家に帰ると、姉が、
「染めた方がいいよ」
もう、なぜ染めないのか理解不能の様子。

仕事先でも、
「そりゃぁ、テレビとかで観た時の印象、
 イメージが刷り込まれててね、
 それが変わるとなんか嫌なんだよね」
そう言われてしまう。

その後、小学生と中学生たちへの講演の仕事が近づき、
久しぶりに白髪を染めてみることにした。
子供たちから見れば、白髪イコールお爺さん、
くらいに感じてしまうだろうと危惧したのだ。

白髪頭のお爺さんの方が説得力あるかも、とも考えたが、
見た目はお爺さんマジシャンなのに芸風は軽いと、
子供たちが困惑するのではと思い直したのだ。

再び、あの先輩芸人さんの金言を思い出す。
「人は外見じゃないよ、人は見た目だ」

番組制作のプロデューサーさんは言う。
「芸人は商品なんだよ。
 自分で勝手にパッケージのデザインを
 変えちゃいけないよ」

続けて、
「なんだかさぁ、
 白髪が芸より目立ってるような気がするんだよ。
 白髪より目立たない芸っていうのもねぇ。
 だから、髪は黒く、芸は面白く、だよ」

はい、了解いたしました。
芸はすぐに面白くならないので、
まずは髪を黒くすることから始めます、へへへ。

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2015-11-22-SUN
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