MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

友情とは不思議なものだ。
なんだか分からない相性というもので、
互いに心を深く許し合ってしまう。
今回は、そんな私の大親友、

『MARCO TEMPEST』

ニューヨークから、
マルコ・テンペスト(MARCO TEMPEST)が来日した。
テンペストは、
これまでのマジック、マジシャンのイメージを
一新したといわれる、気鋭のマジシャンである。
今回の来日は、NHKのスペシャル番組
『マルコ・テンペスト・スペシャル(仮題)』
の収録のためであった。
マルコと初めて出逢ったのはもう15年も前、
世界マジック・コンテストに参加のため
スイスのローザンヌを訪れた際であった。
地元スイスから参加していた
多くのマジシャンたちと交流が始まり、
その中からなんとなく自然に、
マルコと一緒にいることが多くなっていった。
マルコは完全な英語を話すことが出来、
私はカタコトの英語しか話せなかった。
しかし、相性とは不思議なもので、
互いのコミニュケーションには全く不自由しなかった。
マジックのことばかりではなく、
日本のことスイスのことなど、
それはそれは熱心に語り合ったものだ。
当時のマルコは完全なベジタリアンで、
レストランに行っても
なかなか食べるものが決まらなかった。
野菜スープだから良いだろうと思うと、
「このスープは肉のエキスを使っているからダメだよ。
 それにこれもダメ、あれもダメだよ」
私はお腹がペコペコになるまで
あちこちのレストランを歩かされたものだ。
そのお陰と言うべきか、
マルコと食べるスイス料理はどれもこれも美味しかった。
ずいぶん以前のことで、
参加したコンテストの成績や訪れた観光名所などは
すっかり忘れてしまった。
記憶にあるのはすべてマルコと出掛けた
レストランやカフェばかりである。

スイスでの出逢いから数年後、
いよいよマルコが初めて日本にやって来た。
新宿にあるシアター・レストランで公演のためであった。
約2週間の滞在の間、
私たちは毎日のように一緒にあちこち出掛けた。
マルコが熱心に通いつめたのは秋葉原である。
電気街の多くのビルの1階から最上階まで、
全てを見て廻りたがった。
ひとつのフロアーに1時間くらいは平気で費やしてしまう。
付き合う私はすっかり疲れ果ててしまい、
「マルコ、このビルの3階以上は外国人お断りらしいよ」
などと、しょうもないウソを言ったりした。
相変わらずベジタリアンのマルコであったが、
「日本はベジタリアンにとって最高の国だよ」
豆腐、蕎麦などを実に美味しそうに食べてくれた。
寿司屋さんに行っても、
注文するのはカッパ巻きや梅ジソ巻きばかり。
私のおごりはいつも安く済んで嬉しかった。

親友であるマルコ、また素晴らしいマジシャンである
マルコ・テンペストとの共演を望み続けてきた私である。
その夢が叶う日が訪れた。
初めての出逢いから15年の時を経て、
最新のデジタル・マジックを駆使する
マルコ・テンペストと、
変わらぬアナログ・マジックで迎え撃つ
ナポレオンズの対決は、
12月27日(火曜日、19時30分〜)
NHK総合
で放送される。

後記
今回は番組の宣伝のようになってしまいましたが、
マルコは私の自慢の親友、マジシャンです。
どうか観てやってください。

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2005-12-18-SUN

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