MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

『マジックの時代がくるといわれて幾百年‥‥。
 もう、くるんじゃないかい?!』ーーー糸井重里
今にして思えば、私の初エッセイ本である
『ライフ・イズ・マジック』の帯に書いていただいた、
実にありがたい予言でありました。


「マジックの時代」



これまで、テレビでマジックを取り上げると
コンスタントに視聴率がとれていた。
そんなに高視聴率でなくとも
10%以上は確実、というのが
マジックというソフトであった。
まさに、マジックはいつの世も
『静かなブーム』であり続けたのである。
ところが、すべてはあの瞬間から始まったのだ。
たった独りのマジシャンが、
トランプ一組だけを使ってマジックを見せている。
大仰に述べることもなく淡々と、
その指先だけで魔法のような現象を見せていく。
始めはただ見ているだけの観客が、
だんだんとその魔法にかかっていく。
そうして、広げられたカードを見つめている誰もが
思い至る。
「すごい、これは本物だよ」
衝撃ですらあったこのマジック・シーン、
これまでも存在していたはずのカード・マジックが
本物の魔法となり、24%を超える高視聴率となった。
ちょっとした機会が訪れ、
そこに卓越した技術を持ったマジシャンが登場した。
円熟したその立ち居振る舞いから繰り出される
カード・マジックは、
テレビという媒体の中で
怖いくらいに魅力的なエンターティメントとなったのだ。
「今までやってきたことと、
 ほとんど同じことをやっているだけなんですが‥‥」
これまで技術と自身を磨いてきたマジシャンは、
今まさに時を得たのであろう。
その後も、あの指先から繰り出される魔法の威力は
衰えを知らない。
その魔力に誘われて、
多くのマジック番組が制作されるようになっていった。
またその需要に応えるべく、
多くのマジシャンが登場してきた。
しかも、それぞれが個性的なキャラクターを主張していて、
まさに多士済々といったところだ。
突然に出現したように思えるマジシャン達だが、
いずれも長いキャリアの持ち主ばかりである。
しっかりとした実力を経験によって磨いてきている。
「マジシャンて色んな人がいて、みんな、すごいんだなぁ」
という評価を受けるまでになった。 

我々ナポレオンズにも、
あちこちの番組から声を掛けていただいている。
また、様々な活字媒体からも取材の依頼も多くなった。
記者
「今、マジックがブームですよね。
 どうしてだと思われますか?」
ナポレオンズ
「はい、全ては優秀な後輩たちのお陰です」
記者
「なるほど、そうですね」
ちょっとは否定してほしい私であった。

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2004-12-16-THU

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