MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

「小石さんは、マジックは出来るんですか?」
このような、信じられないほど失礼な質問を
しょっちゅうされてしまう。
僕はいささか困惑しつつ思う、
25年間という長きにわたって
プロ・マジシャンとして生きてきた人間が、
マジックを覚えないはずがないではないか!
僕はこの質問にはキッパリと答える。
「ちゃんと3つ、出来ます」

さて今回は、そんな


「僕に関するウワサ」


「小石さんて、アナログ人間ですよね?」
そんなことは、ありません。
わが家には立派なパソコンがあります。
プリンターも設置しています。
これらは僕が最も信頼しているカーディシャン
(トランプ、カードのマジックのスペシャリスト)
M君の協力によるものです。
パソコンの選択、設置、メンテナンスなど、
パソコンに関するすべてをしてもらっています。
M君のお陰で、僕はパソコンを使ってメールが出来ます。
確かに、メール以外の機能を使うことはめったになく、
いつもM君に言われています。
「小石さん、
 せっかくの高級機種のパソコンがあるのだから、
 もっとあれこれ楽しんだらいかがですか?
 メールだけなんて、
 まるで高級なスポーツ・カーを持っているのに、
 エンジンもかけないで
 ただハンドルだけを回しているようなもんですよ。
 あ〜、もったいない」
しかし、ハンドルを回しているだけでも、
僕にとっては充分に楽しいのだが。
やはり、僕はアナログ人間なのだろうか?

「ナポレオンズの小石って、チビ?」
相棒のボナ植木は183cmの長身です。
ナポレオンズとしてテレビに登場すると、
確かにかなりの身長差が生ずる。
テレビを見ている人は、
なぜか植木の身長が普通であって、
横にいる僕がかなりチビだと認識するらしいのです。
そんな人が実際の僕に会うと、
「あれ? 意外とチビじゃないねぇ」
などと驚いてしまう。
そうです、僕はチビではありません。
身長は164cmです。
つまり、「プチ・チビ」です。

「背が低いのに、鼻は高い。あれは整形に違いない」
まだ、整形をしたことはありません。
でも、将来にわたってしないというわけではありません。
外国、ことにアメリカのマジシャンは、
整形をして若さを保っている人が多いのです。
やはり人気商売なのですから、
見た目が大切であるのは言うまでもないことです。
若くハリのある顔で
エネルギッシュなステージを展開している
先輩マジシャンを見ていると、
整形に対しての躊躇なんて薄れてしまいます。
あるアメリカのマジシャンは、
もう何度もヒタイのあたりにメスを入れて、
顔のシワを引っ張りあげています。
あまりにそれを繰り返したがために、
とうとうアゴのあたりに
ヘソが出来てしまったらしい(ウソ)。

「11月4日に、リサイタルをやるらしい」
そうなんです。
開演は午後7時、場所は新宿・全労済ホール
(スペース・ゼロ)、
なんと文化庁芸術祭参加公演!
ナポレオンズのプロ生活25年の集大成に加えて、
新コメディ・イリュージョンに挑戦します。
また、マジック界では初となるであろう、
あの○○カーが登場します。
ゲストは、アメリカからお迎えする
コメディ・マジックの王様、グレート・トムソーニー、
危険な(?)コメディ・マジックの鬼才、
フェルストーン・ジョーンズ。
25年に一度しか見られない、
ナポレオンズの真剣なマジックを、どうかお見逃しなく!

「11月4日のリサイタルに合わせて、
 本を出版するらしい」
ウヒヒヒヒ、これまた本当です。
「ほぼ日」に連載中の好評エッセイ
『ライフ・イズ・マジック』から厳選した
エッセイ集なのです。
タイトルはもちろん
『ライフ・イズ・マジック
 ー種ありの人生と、種なしの人生とー』。
これがまた奇妙な縁で、
編集はウン十年ぶりに再会した専修大学の同級生なのです。
表紙イラスト、デザイン等、みんな友人知人にお願いして、
素晴らしい本にしてもらいました。
リサイタル当日に販売するので、
どうか皆さま、お手にとってご覧ください。

「エッセイと称して、宣伝ばかりするらしい」
どうやら、本当らしい。

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postman@1101.comに送ってください。

2003-10-19-SUN

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