MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

制作プロデューサーのH氏が言う。
「マジックはやらなくていいや」
楽なような寂しいような番組に出演することになった。
富士山を通して、失われつつある
日本の自然を伝え守っていきましょうという
メッセージを込めた番組とのこと。
我々ナポレオンズは特に自然に詳しい訳ではない。
なのに何故レポーターに抜擢されたのか?
H氏は更に言う。
「実際に何度も登山してもらうから、
 丈夫なやつじゃないとね」
体力で選ばれたのだった・・・。
とにかく始まった、


「富士山と一緒」


CSという衛星放送が、今年7月から始まっている。
その中の「富士山と一緒」という番組に、
我々ナポレオンズはレポーターとして出演しています。
ところが残念なことにまだ、
「見てますよ」という人に会えていない。
それどころか、出演している本人さえも
放送を見たことがない。
すごく良い、それはもう面白くて勉強になる上に
自然についての雑学がいっぱい詰まっている番組だけに、
もっと見てもらいたい
(人に言う前にお前がアンテナ、
 チューナー買って見ろってツッコミが聞こえてきそう)
出来映えなのです。

この「富士山と一緒」をCS放送で見たという方には、
我々ナポレオンズの特製ステッカー
(このステッカーをマクラの下に入れて眠ると
 夜中にうなされるという、すごいモノ)さしあげますので、
どうかアンテナ&チューナーを購入して見ていただきたい。

「富士山と一緒」では、実際に富士山に登ったりする。
最初のロケは5合目の「佐藤小屋」という山小屋。
この山小屋は登山客には大変に有名で、
24時間365日、営業しているのだ。
「冬山の厳しい時期に小屋が開いてないと、
 命にかかわっちまうからね」
実にサラリとおっしゃるのでありました。
確かに春先のロケであったにもかかわらず、
夜には0度近くまで冷え込んでしまった。
冬の寒さは想像を絶する。
本来はもちろん有料の小屋なのに、
「ノー・マネー」
などという、けしからん外国人登山者もいたという。
そんな時もちゃんと小屋にいれてあげるという
三代目小屋主ご夫妻、本当に立派です。
「金がないからって閉め出したら、死んじまうからね」
皆さん、金を持たずに富士山に登るのはやめましょう。

残念なことに自殺の名所となっている樹海には、
多くの動物が暮している。
その中には「ヒメネズミ」という
小さく可愛いネズミがいる。
それらを撮影している中川さんという
動物カメラマンにインタビューした。
「まだ子供だった昔、
 近所の川でザリガニをとって食べたり、
 たんぼのスズメを捕まえて食べたりしましたもんです。
 つまり子供のころは動物『を』食べて暮らし、
 大人になったら動物『で』食べてます」

樹海には数百の洞窟があるという。
富士山の噴火の過程でできた、大変に珍しいものだという。
そんな洞窟を専門に研究をされているのがAさん。
発見していない洞窟はまだ無数にあり、
朝から晩まで暗い穴の中に入り研究に没頭している。
「なんせ中は年中暗いからねぇ、
 いったい昼なんだか夜なんだか、
 サッパリ分かんないからねぇ」
洞窟に魅せられてしまったAさん、
一日が二日、二日が三日となり、
とうとう一週間穴暮らしをしてしまった。
久しぶりに帰宅すると、
あきれはてた奥様は家を出てしまっていたという。
「ホドホドに研究してたんじゃ間にあわないからねぇ」
洞窟三昧で意外と幸せな笑顔のAさんの、
ちょっとさみし気な後ろ姿。

主にトンボを研究している加須谷さんがいる。
麓の農家の方に提供してもらい、
広い庭に池を造ってしまった。
すると様々な生体系が甦ってきた。
トンボたちが秋空を舞うという、
失われた自然が戻ってきたのだ。
無償で庭をトンボたちに提供した農家の方たちも、
本当に立派な人たちです。
庭には都会の一軒家くらいの広さの犬小屋があり、
「イボンヌ」と名付けられたヨーロッパ系の犬が
優雅に歩き廻っていた。
「イボンヌ」、良い名前だなぁなどと感心していると、
ご主人様が犬を呼んだ。
「イボ〜、イボ〜、エサだぞ〜」

2002-10-28-MON

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