MAGIC
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。

第4回
<FISMリスボン大会に行って来ました。>


10日間ほど、ポルトガルに行って来ました。
3年に1度、おもにヨーロッパの各国で開催される、
世界最大のマジックの祭典である
FISMリスボン大会のゲストとして招待されたのです。
その様子は、近々、NHKで放送されますので、
ぜひ見て下さい。

さて、そのFISM(フィズム)は
どんな大会かというと、これは大変です。
なんせ、朝8時くらいからマジック・コンテストが
始まるんです。
いくらマジック好き人間ばかりの会とはいえ、
朝っぱらから鳩が出たり、
美女の胴が切れたりするのを見て喜んでいるんですから。
それが延々続き、マジックを教わるレクチャー、
様々なマジックの道具を売るディーラー、
有名マジシャンによる講演などで午後を過ごし、
夜になると僕らの出番、ガラ・ショーと、
ずっとマジック漬けの上に、
宿泊先のホテルのバーでもマジックをやっているんです。
そんな日々を一週間続けるんです。
過去の参加者には、過労による心臓マヒで死者も出た
(ウワサですが)ほどの過密なスケジュールなのです。

大会の華は、やはりコンテストでしょう。
プロ・アマを問わず、
200組ほどの腕に自信のあるマジシャンが
チャンピオン目指して競うのです。
過去のチャンピオンの中には、
ラスベガスのホテルと130億円で契約し、
マジック・ドリームを叶えたマジシャンもいます。
まさに一流マジシャンへの登竜門なのです。

とは言え、まさに玉石混交(つまらない演技が
ほとんどですが)なのです。
審査は参加各国の代表がするのですが、
フィギア・スケートなどのように最高点と
最少点をカットしないので、
露骨なえこひいきもあったりします。
ある審査員が、自国のマジシャンに100点を付け、
ライバルの他国のマジシャンを10点にして、
なんとか賞を得ようとしたことがありました。
「フェアーじゃない」との抗議に、
彼は平然と応えました。
「自国のマジシャンを応援するのは当然の行為。
私が応援しなくていったい他の国の誰が
応援してくれるのか! 」
なんだか納得してしまいました。

今回のリスボン大会には、
日本からも200人以上が参加し、
コンテストにも多くチャレンジした結果、
峯村健二さんがマニピュレーション(手技)部門で1位、
中嶋由美さんがジェネラル(一般)部門で2位という、
輝かしい成果を上げました。
後の方々は、実に好評だったと言っておきましょう。
コンテストは8分間の演技で競われます。
それ以上は失格となり、カーテンが閉まるのですが、
中にはカーテンをかき分けて続けようとする猛者もいます。

お終いにはスタッフに羽交い締めにされつつ
マジックを見せようとします。
バカ受けしましたが、当然、失格でした。
しかし、彼の必死のパフォーマンスは、
客席にいたラスベガスのエージェントの目に留まり、
目出たく交渉成立となりました。
コンテストは、マジシャンが自らを飾る絶好の
ショウ・ウインドウでもありました。
我々ナポレオンズにも、
4ヶ国から出演依頼がありました。
もう130億円はすぐそこ! 

まぁ夢は大きいほうが楽しいですよね。
さて、名刺の裏に、次のような足し算を書いて下さい。

 1000
   40
 1000
   30
 1000
   20
 1000
+  10
-------------

もう一枚の名刺で、最初の1000以外を隠して
相手に見せます。
名刺を少しづつずらして40、1000、30、と見せ、
声に出して足した答えを言ってもらいます。
最後の合計を、相手は5000! 
と自信を持って答えるでしょう。
次回のFISMは2003年、
オランダのハーグ市で行われます。
あなたも一緒にチャレンジしませんか!

2000-07-20-WED

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