2018-04-20

・連日、同じようなことから書き出しますが、東京京都の「TOBICHI」に足を運んで「ブイヨンからのおれい」の写真を見たり、手紙書いてくださっている方々、ありがとうございます。写真展で泣いている人がいるというのは、なんとも不思議な感じなのですが、その泣いてる人たちがどことなく幸せそうなのが、なおさら不思議だねと、その場にいた人が言いました。言ってたご本人も泣いてたらしいのですけれどね。ブイヨン、そんな話を聞かせてもきっと、きょとんとしてるでしょうね。

・昨夜は、ひさしぶりに「ほぼ日の読書会」でした。ずいぶん前に課題図書は決めていました。望月ミネタロウ『ちいさこべえ』という4巻のマンガと、その原作の山本周五郎『ちいさこべ』という短編小説。原作は火事の多かった江戸の町が舞台ですが、マンガのほうは、それを現代に置きかえて描かれてます。ぼくは、なんとなくマンガのほうから読みはじめて、たんたんとした展開なのにぐいぐいと引き込まれ、近くにいた永田さんに強くすすめたりしてました。望月さんはもともの画力のある作家なので、絵の方でひとつの世界観を表現できています。それは、身体をもった生き物としての人間たちの物語。これが縦糸で、横糸に山本周五郎の世界が織り込まれて、なんとも静かで色気のある布が完成していきます。ここであんまりストーリーを言わないようにするなら、「くぅうっ」と、こらえながら泣くようなマンガが、出来上がっているのです。人間て、いいもんだなぁ。世の中、わるくもねぇなぁ。あと、色というものはいいね……というような、ね、生きててよかったなぁという読後感がありました。マンガのあとで、ぼくは原作の小説を読んだのですが、これが、見事に整理された、足りないくらい、ことば数の少なそうな小説なのに、センスのいいマンガ家が描きたくなるような身体性が、しっかりと表されているんですよね。

もし、いま、なにか読む気があるのだとしたら、『ちいさこべぇ』か『ちいさこべ』、おすすめします。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。「意見」ばっかり読んでる時代に、もっとフィクションを。

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