[黒柳]
お墓の字を見に行ったら、これがびっくりしたんですけどね、お墓には「卯」のほうの柳が書いてあるんです。



[糸井]
ええっ!

[黒柳]
えっ! いつからこうなっちゃったんだろう!
」じゃないんだ!
もう、わけわかんないと思いまして。

[糸井]
うん、うん。

[黒柳]
「世界ふしぎ発見!」の放送のあとは、お習字の先生からもお手紙がきました。
そしたらやっぱり、「」は、俗字ということらしいんですね。
字を崩すときに、ああいうふうになっていった。
だから「まちがいではないです」と。



[糸井]
お墓を作る人は俗字では彫らないわけですね。

[黒柳]
そうそう。
それで何の話をしてたかというと柳の前は‥‥ライオン。

[糸井]
ライオン?

[黒柳]
ライオンのたてがみ。

[糸井]
ああ、トサカではなく、たてがみ。

[黒柳]
これがないから、パンダは。

[糸井]
よく戻れましたね(笑)。

[黒柳]
戻れましたね。
これが戻れなくなると、もう、いけません。
「あたくしは、いまどこにいるんでしたっけ?」
ってことになっちゃうから。

[観客]
(笑)

[黒柳]
ライオンはたてがみ、ニワトリはトサカなどで男女の差がわかるんですが、パンダはまったくわかんないんです。
だから、かわいそうにアメリカでは一所懸命、女同士を結婚させようとしたり。

[糸井]
そんなにわかんないもんですか?

[黒柳]
わかんないです。

[糸井]
下世話な話になりますけど、見てわかるようなものは‥‥ない?

[黒柳]
そのものを見ても、ぜんぜんわかんないんです。
カンカンとランランが日本に来たとき、わたしは、
「これは、オスメスはまちがってないんですか?」
と、中国の飼育係の方に訊きました。
いただく以上は、そのあたりをちゃんとしておかないと万が一ってことがあるじゃありませんか。



[糸井]
いただいた以上、万が一、はい(笑)。

[黒柳]
子どもが生まれなかった、ということになったらね?
そうしたら、まちがいないです、
「科学的に調べてます」っておっしゃったの。

[糸井]
科学的に。

[黒柳]
あの‥‥科学的って‥‥フッ(笑)、触ったりとかいろんなことするんですか、と訊いたら
「まぁ、そうです」って。

[糸井]
科学的ってそういうことなんですか(笑)。

[黒柳]
よくわかんないけど中のほうは、きっとわかるような仕掛けになってるんですね。

[糸井]
飼育した人であれば、それはわかるんでしょうか。

[黒柳]
いやいやいや、動物園の人もわかんないらしいですよ。
そのときになって、はじめてわかるみたい。
つまり「結婚したいと思ったとき」にね。
上野動物園の園長さんだった中川さんの説によると、
「びっくりするような」
「竹のような」
っておっしゃってました。



[糸井]
えええ?

[黒柳]
「竹の節のような感じのものだった」

[糸井]
巨なるもの。

[黒柳]
そして、すぐまたひっこむんでしょうね、鳩時計みたいに。

[糸井]
あっというまに。

[黒柳]
だってそのあと、そんなものを誰もが見たことないんだから。
そのときだけしか出てこないんです。

[糸井]
じゃあ、ふだんパンダが竹のふりして食べてるのは、あれはもしかしたら。



[黒柳]
はははは、そうかもわかんないですね。

[観客]
(笑)
(つづきます!)


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