この木は芯がない。
原木一本を四つ割りにしたんだな。
芯をはずしてあるわけだから、
原木はこの木の四倍以上はあった。
そんなおおきな木が、おそらく
法隆寺の裏山にあったんだな、昔は。

今、もうまっくろけだから
年輪はわからないよ。
しかし、解体修理したとき、
年輪までぜんぶ記録してあるんだ。
「この木はこういうふうになっている」
という図面がとってある。

芯を抜いてやれば、
木の乾きかたはどこもおなじだから
割れないんだよな。

(次回につづきます)

 

2005-08-04-THU
Text : Shunsuke Kimura Photo : Yasuo Yamaguchi ++ All Rights Reserved by Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005