21世紀の
向田邦子をつくろう。

■「久世塾おぼゑがき」47号
 パワーが違う!


「どこまでいっても梅田と難波が続いてる……」
はじめて東京の夜の街を歩いた時に
そう感じた気持ちを、
先日第一回「久世塾」が行われた後、
池袋から赤坂に移動した時に久しぶりに思い出しました。

よく地方から都会に出てきた人が、
あまりの人の多さに「今日は祭りでもあるのかな?」と
思ってしまうなんていう笑い話がありますが、
あれもあながちウソじゃないなぁ……と思います。

僕はこう見えても、
といってもどう見えているかは判りませんが、
大阪ではステイタスの高い(と勝手に思っている)
キタの生まれの“シチーボーイ”ですが、
はじめて渋谷に遊びに来た時は、
「やっぱりなんやかやいうても東京やで、
 こら阪神も勝てんわ」と、
コテコテの大阪弁で呟いてしまいました。
もちろん心の中で。

人の量が違う、店の量が違う、モノの量が違う。
ここでもしかしたら、「何いうとんねん」とばかりに
気を悪くしているかも知れない
関西人の読者に言っておきますが、
僕は決して大阪より東京が優れているなんて
いっているのではありません。
大阪を愛する気持ちは、たぶん北摂一だと
自負しているくらいですから(もっとも河内の人には
負けるでしょうが……)。

しかし悲しいかな、
街の発するエネルギーみたいなものが確実に違うのです。
これはたぶん生粋の江戸っ子パワーだけでは
出ないものでしょう。
日本各地、いや世界中から集まってきた
文化のごっちゃまぜが、この街の得体の知れないパワーを
生み出しているんじゃないかと睨んでいます。

そして日本各地から集まってきていると言えば
「久世塾」だって負けていません。
東京・大阪はもちろん、
新潟、静岡、島根、広島などなど、
脚本家のタマゴたちが、
それこそ日本中から集まってきているのです。

特に大阪は豊中から来ている
受講生のHさんなんて涙モノ。
学生さんなので受講費だけで精いっぱい。
交通費を浮かすために、
毎週深夜バスに乗って上京してきているのです。
大阪を夜に出て、東京に着くのが早朝の6時。
それから本講座の始まる午後1:30まで
池袋界隈でブラブラと時間をつぶしているそうです。
しかも現在就職活動中。
事務局の僕ですら「おいおい大丈夫か?」と
余計な心配をしてしまいます。

しかしそれだけ脚本にかける情熱が強いってこと。
あと3ヶ月、ぜひとも最後までやり遂げて、
すばらしいホンを書き上げてほしいものです。

それから、今後はこのコーナーで、講師の先生や
塾生さんの声もどんどん取り上げていくつもりです。
この文責さとうが、突然お話を
聞きに行くかも知れませんが、皆さん逃げないでね
(けっこう気が小さいので……)。

それでは。

文責 さとう

★久世塾正式サイトへのアクセスは
 http://www.kanox.co.jp/へ。

2000-07-07-FRI

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