21世紀の
向田邦子をつくろう。

■「久世塾おぼゑがき」4号
キャストが先か、シナリオが先か


昨日「ビューティフルライフ」の話をしましたが、
今日はギョーカイの人に伺った
ドラマの誕生秘話(の一部)を。

ドラマを作るとき、
大きく分けて二つのパターンがあるそうです。
一つはまず企画があり、それを元にしたホンがあって、
それぞれの役柄に合うキャストを
落とし込んでいくという方法。
主にTBS系などはこういう作り方をしているようです。
もう一つは、まずキャストが決まり、
その役者(タレント)に合う役柄・ストーリーを
作っていくという方法。
これは主にフジ系のドラマに多いようです。
(以上、あくまで一般論です!)

一概にどっちがいいとはいえませんが、
実際にホンを書く脚本家にとっては
これは大きな違いであるといえます。

例えば前者の場合は、
書き下ろしにせよ、原作ものにせよ、
はたまたシナリオコンテストの受賞作にせよ、
まずストーリーありき。
もちろん企画の時点である程度の
イメージキャストというのは出てくるのでしょうが、
あくまでもお話優先。
いくら好感度No1.のタレントの
スケジュールが空いていても、
その役柄に合わなければキャスティングできません。
その分ライターさんは思う存分
作品の世界を広げていけるわけです。

一方後者の場合は、
例えばキムタクと松嶋菜々子の
スケジュールを押さえたので
二人に合うラブストーリーを、というオファーが来て、
企画会議〜シナリオ作りへと進んでいきます。
もちろんこちらの場合も
ストーリーが重要であることには違いはありませんが、
ただ最初からキャストが決まっているので、
ホンを書く上でセリフなどのイメージが湧きやすい反面、
その役者の持つイメージを引きずってしまって、
思い切った冒険ができないこともあるそうです。

ライターさんの頭の中で、
「アイツにこんなことをさせちゃ、
 ちょっとマズイよな……」
なんてことになるのかもしれませんね。

これだけ聞くと、
脚本家にとってはストーリー優先の方が
いいじゃんってなことになりそうですが、
そう簡単に行かないのが
この業界のオモシロイ(オソロシイ)ところ。

いくらストーリーが抜群に面白くても、
キャストが地味すぎて視聴率がとれず
あえなく打ち切り……なんてこともあるでしょうし、
逆に豪華キャストを揃えても、
お話が型通りでつまんない……てことで
視聴者に見放されてしまうこともあるでしょう。

いずれにせよ
「ストーリーが面白くてキャストが魅力的」
なのが理想ですが、
じゃあそれで高視聴率が約束されるのかといえば、
そうとは言い切れないところが
この業界のオソロシイ(オモシロイ)ところなのです。

それでは。

文責 さとう

2000-04-07-FRI

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