今日の小ネタ劇場でおなじみ、5人の猛者が集結して怒涛のおしゃべり!常連投稿人たちの座談会。

第3回
近所の2大ネイキッド老人。
──
北の庄さんちって、
ご両親と仲よしなんだろうなあって、
投稿を読んでいて思います。

そういう、その人のまわりのことが、
なんとなく見えるのも、
小ネタ劇場の、いいところなんです。
北の庄
そうですね、まあ、でも、
親とはいつもケンカしてます(笑)。
なぼちん
たしかクロスワード・パズル‥‥。
──
思うところがあって、早起きして、
朝刊のクロスワードのタテの行

をぜんぶ解いてやりました。
母が毎週楽しみにしてるのを
知りながらです。

(北の庄)
北の庄
はい。ぜんぶ解いて、閉じて、
もう一回、郵便受けに入れときました。
──
あ、そこまでがワンセットですか(笑)。
なぼちん
でも、ほんと、楽しいご家族だと思う。
北の庄
いやあ、そうですね‥‥
ちょっと変わっているとは思います。

これ送らざるを得ないわってことが、
しょっちゅう起こりますし。
一同
(笑)
北の庄
ついこの間も、
ま、これは自分のことなんですけど、
鳥取砂丘へ行ったときに‥‥。
タナボタばんざい
あ、わかったー!
なぼちん
裏返しだった、ってやつだ(笑)。
──
鳥取砂丘で、うかれて
「鳥取砂丘」と書かれた
タオルを買ったので、
砂丘で写真を撮るときに広げてみました。
本当に素晴らしいタイミングで
横から吹いてきた風に
タオルはきれいに広がって、
白い砂丘に映える夏の青い海と
晴れ渡る空をバックに
「鳥取砂丘」のタオルを持って笑う
わたしの写真は
この夏一番の記念写真になった‥‥
はずだったのです。
タオルの裏表を
間違ってさえいなければ‥‥。

(北の庄)
北の庄
そう、そのときの写真が、ここに。
一同
おおー!(拍手)
北の庄
ここ、鳥取砂丘のなかで、
本当に、とってもいいロケーションで。

こんなにも最高なのに‥‥。
なぼちん
「鳥取砂丘」の字が逆さ(笑)。
タナボタばんざい
投稿のまんまですね(笑)。
北の庄
旅行会社のCMに使ってもらえるかも、
というくらい、
最高のシチュエーションだったのに‥‥。
フク
字が逆さ。
北の庄
青い空、青い海、白い砂、字が逆さ(笑)。

いい感じで撮れたよって言われて、
天気もいいし、絶対バッチリだって言って、
旅館に帰って見たら、字が逆さ。
──
たとえば、それが
「送らざるを得ない何か」ですね(笑)。
北の庄
そうです。

わたし、少しおっちょこちょいなもので、
いろいろやらかすんですけど、
そんなこと、
まわりの誰にも言えないじゃないですか。
──
だから「ほぼ日に、送ろう」と。
北の庄
そう(笑)。
なぼちん
ここなら許してもらえそうだし(笑)。
北の庄
そう、そう(笑)。

送ることで、なんとなくの反省と、
ざんげの気持ちと、自分へのなぐさめを、
満たしているような毎日です。
──
となりのおじさんの赤フンのお話も‥‥
北の庄さんでしたっけ?
北の庄
はい。
──
数年前に亡くなったとなりのじいちゃんは
ふんどしの愛好家でした。
しかも、赤フン。

おとなりの物干しは
玄関脇のかなり目立つところにあり、
その目立つ物干しの、
さらにいちばん日のあたるところに、
使い込んで桃色になった赤フンが
デデンとはためいている様は、
ご近所の風物詩でした。
急にそんなことを思い出したのは、
昨日、その「ふんどしポジション」に、
お嫁さんが「ピンクのレギンス」を
干していたから。
「じいちゃんのふんどし?」
って思って二度見して、
家族に話して大笑いしたあと、
みんなで、ちょっとしんみりしました。
ふんどしで偲ぶってのもどうかと思うんですが、
あのじいちゃんだったら
ニヤリと笑って
喜んでくれてそうな気がしています。
(北の庄)
──
あの投稿、最後、
ちょっと「いい話」に持ってってますね?
なぼちん
そうそう、赤フンで、
亡くなったおじいさんを思い出したって。
北の庄
おじいさんが、まだお元気だったときは
外をふんどし一丁で歩くから
「あそこのじいさん変わってるよね」
という扱いだったんですけど、
おとなりさんとしては、
とっても、いい人だったんです。

面倒見がよくって。
──
そうなんですか。
北の庄
赤フンというのは、
履き込むほどにピンクに変わるんです。
──
そうなんですか(笑)。
北の庄
たぶん新品状態の赤フンというのは、
本当に、真っ赤なんだと思うんです。

それを、何度も穿いては洗い、
穿いては洗いを繰り返すことによって、
なんとも言えない、
きれいなピンクに変わっていくんです。
──
ピンク‥‥紅ショウガみたいな?
北の庄
いえ、もっともっと儚げなピンク。
なぼちん
儚げ‥‥(笑)。
ぬばたまの
とても「赤フン」の形容とは思えない、
雅な表現だと思います。
なぼちん
で、お嫁さんのレギンスも
同じように儚げなピンクだった‥‥と。
北の庄
そう、それで
「え、じいちゃん、もういないのに!」
と思って、びっくりして。
──
おもしろい(笑)。
なぼちん
ちなみに、ふんどしって、越中ですか?
それとも本格的なやつ?
北の庄
本格的なタイプです。
なぼちん
あー。
北の庄
で、ソレ一丁で外を歩くおじいさんがいて、
畑の向こう側には、
シミーズ1枚で外を歩くおばあさんもいて。
なぼちん
シミーズ‥‥(笑)。
北の庄
わたしは、そのふたりのことを
うちの近所の「2大ネイキッド老人」と、
心のなかで、呼んでいました。

<つづきます>
2017-03-08-WED
──
2017年3月31日午前11時まで開催している
「ほぼ日ブックスフェア2017」期間中に
全4巻組の「ぜんぶセット」をお求めいただくと
通常の購入特典である
「6種のきせかえカバー+金のカバー」に加えて
「酒井駒子さんのマグカップ&コースター」が
もれなく、ついてきます。この機会に、ぜひとも!
──