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 『月さえも眠る夜』
 THE BOOM

 
1993年(平成5年)

こんな風に
思ってくれる人が
いてくれたら‥‥
(YOKO)

誰かと愛し合った
過ぎ去った季節まで
好きになってあげたい


この歌を最初に聞いたのは、
友達がライブでカバーしたからでした。
誰の曲かも知りませんでした。
でもその友達のおかげで、
この曲とBOOMが大好きになりました。
もう20年近く前のことです。
その時に隣で一緒にこの曲を聴いた人とは、
10年一緒にいて、10年近く前にお別れしました。

もういい加減いい歳になっちゃってたし、
もう誰も私を好きになってくれる人なんて
いないんじゃないか・・
そう思っては時々はちきれそうに空しくなる日々が
何年か続きました。

そんな時にこの曲を聞きながら、
こんな風に思ってくれる人がいてくれたら・・・
この歌を私のために歌ってくれる人がいたら・・・
と切に思ってました。

そして、4年近く前、BOOMが縁で
今の彼と出会い結婚しました。
まさかこんな風にまた誰かに好きになってもらえて、
幸せになれるなんて思ってなかった。

BOOMとこの曲は、だからずっと私の宝物です。
人生を変えてくれた・・・っておおげさですが。

ちなみに、今の彼にこの話をしたことはありません。
この曲を歌ってとリクエストもしたことありません。

ちょっとな、恥ずかしいというのもあるし、
もったいぶってるのかもしれないですが・・・・

いつか・・・ってそれは、
結婚何年目になるかわかりませんが、
それともずっと出会いの感謝と共に
胸にしまっておくかもしれません。
(YOKO)

THE BOOM、デビュー25年目にして、
解散することを発表したばかりでしたね。
ファンとしていっしょに歩いてきたバンドが
終わってしまうのって、強烈な喪失感です。
でも(YOKO)さんのように、
それまでの時間や思い出を宝物として
これからも歩いていくのがいちばんかも。

「月さえも眠る夜」は、強い強い告白の歌。
きっと叶うことを信じた片恋の歌。
だんなさんにとってきっと(YOKO)さんは
歌の主人公が思いをはせる相手のひとのような
存在なんだろうな。

最後の逡巡、自分だったら言うかなあ。
それとも言わないかなあ。
言わないかもしれないなあ。

なんじゃー、この歌、
こんなすてきな歌詞だったんですか!
教えてくださってありがとうございます。
これは、うっとりします。
いろんな人に教えたい。

大人の恋は、それまでいろいろあって
傷ついたり傷つけられたりしているものです。
それをまー、こんなふうに受け入れて
好きになってくれる人は最高だ。
おっしゃるとおり、出会いに感謝、ですね。
ずーっとおしあわせに!

なんておおきな、告白の歌。
「この胸においで」と無垢に言い切る包容力には、
男のぼくが聴いててもしびれてしまいます。

(YOKO)さんの「人生を変えてくれた」っていうのは、
大げさではなくてほんとうにそうなのでは? と思いました。
すごいなぁ、音楽って。

てれくさい気持ちはよーくわかります。
もったいぶって、いいのかもしれませんね。
だって、
「恥ずかしいから胸にしまっておく」って、
すごいすてきなことじゃないですか。
‥‥そんな大事なことを
ぼくらに教えてくださっているわけで。
いつものことながら、ほんとうにありがとうございます。

投稿のなかで、それこそ十年単位で
びゅんびゅん時が流れていくのが、
この「恋歌くちずさみ委員会」の特徴のひとつ。

それから10年、と書いたあと
またあっさりと10年が過ぎたりね。
そうやって長い時を経てはじめて
客観的にとらえられる恋というものがある。
「おとなの恋」っていうのは、
ホテルのバーでお酒を飲むようなことじゃなくて、
10年くらいの単位でいろんなことを
乗り越えていく恋のことじゃないかなぁ。

宝物といえるような曲があるのって、いいですね。
彼にも言ってない思い出を分けてくださって、
ありがとうございます。
それでは、次回は土曜日に。

2014-05-28-WED

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