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 『魔法の言葉
  〜Would you marry me?〜』
 Do As Infinity

 
2003年(平成15年)

なんか、ごめんよ(笑)、
こんな女で。
  (べべる)

Would you marry me? honey


今でも時々、昔の男の匂いを思い出す。
いや、何かのはずみで記憶にのぼる、と
言ったほうがいいのかもしれない。
そいつは4年付き合った30目前の私をあっさり捨てて、
知らない女の所へ行った。
何となく、気づいてはいたんだけども。

本人的には
「期間がかぶっていないから浮気でも二股でもない」
つもりらしいが、別れて10日も経たずに
向こうと付き合い始めているのだから、
こちらからは裏切りにしか思えなかった。
別れ話を電話で済ませようとしたり、
自分が裏切っておいて「君に嫌われたくない」とか
しゃあしゃあと言い放つ無神経でチキンな性格、
もうとっくに気持ちなんかないくせに
平気で愛してるとか言えちゃう厚顔さには、
今となっては吐き気がする。
それでも、好きだったんだよなと思う。
あの時は幸せだったんだよなぁ…と。
4つも年下の男に、随分と甘えていたものだ。

今なら自分が捨てられる理由ははっきりとわかる。
わかりすぎるくらいに。
だってねぇ(笑)
「お前ごときが私を捨てるのか」
って、思っちゃってたもんね、あの時。
何様だよ、自分。

なんか、ごめんよ(笑)、こんな女で。
気が付くと、別れてからもう10年経っている。
その間にいろいろこじらせてしまったわ。
4年前にばったり遭ったけど、私とは話すどころか、
目を合わせようともしなかったな。
へっ、チキンめ。
今度は地獄で会おう。
飛び蹴りオミマイしてやるから覚悟しとけよ。

この歌は別れる少し前、
久しぶりのドライブの時にヤツがかけました。
「この歌すごく好きなんだ」と言って。
プロポーズか!? と思ったんですが、
すぐ思い直しました。
「こいつにサビの、
 この言葉の意味が分かっているとは思えん」と‥‥
ええ、案の定ですよ。
でも嬉しかったなぁ、あの時。
いつか誰かに言ってもらえるかな〜。
なんて思っていたけど、どうやらその機会は
来そうにありません。

(べべる)

「昔の男の匂いを思い出す」という
ドッキリする書き出し、そして、
「ごめんよ(笑)、こんな女で」という台詞、
投稿全体が大人の女の世界でできあがっていて、
かっこいい、と思いました。

でも、この歌のサビは
「Would you marry me?」
なのだから、彼も、わかってなかったってことは
ないんじゃないかな‥‥と思うのですが。
どうなんだろ?
まぁ、サラッとした方だったのかもしれませんね。

ずいぶん甘えていたなぁ、という感想は
恋の反省として思いあたります。

くさしても、会いたいという気持ちは
愛と呼ぶほか、ないように思います。
この、あえての「はすっぱ」な書き方も
むしろ、色っぽくて。

このまま演劇のセリフのように語って、
そこから曲に入ると、とってもかっこいいかも。
誰がいいかなあ。
松たか子じゃこのはすっぱさが薄れる?
大竹しのぶじゃそれが出過ぎるし、
梓みちよは‥‥みんなもう知らないか。
そうだいっそ、美輪明宏先生にお願いしたい。
みなさんも脳内再生してみて!
Do As Infinityを歌ってくださるかどうかは
かなり不安ですが。
と、妄想をたくましくしちゃいました。

研ナオコさんはどうですか。
語りのあとの歌はもちろん、
中島みゆきさんのカバーで。

こういうモノローグではじまる
ヨーロッパの映画、
というのもあるかもしれない。

いずれにせよ、
「現代日本」な感じがまったくしませんね。
現代だし、日本だし、Do As Infinityなのに。

この投稿者の方は、
たいへん勝手ながら
「昭和の才能」があるのかもしれない。
恋歌くちずさみ世代には、
たいへん好評だった投稿でした。
あ、切ない恋の思い出を
「好評」とか言ってすみません。

や、武井さん、
あると思います、松たか子さん。
だってほら、この前、武井さんと観た舞台。
『もっと泣いてよフラッパー』。
あのときの松さんに、ぴったりじゃないですか。
はすっぱさが薄れるどころか、ねえ?
まさしく「フラッパー(はすっぱな娘)」の役だったわけで。
‥‥松たか子さんのすばらしさを
いつまでも書いてしまいそうなのでこのあたりで。

モノローグとしてすばらしいなあと思うのは、
読み手に語りかける部分では敬語になるんです。
つまり、第三者にはていねいに。
わざと乱暴な言葉を選んでもいますが、
全体的には(べべる)さんのやさしさを感じました。

昭和とDo As Infinity。
こういうブレンドを味わえるのも
「恋歌くちずさみ委員会」ならではですよね。

ただいま春休み特集!
連日更新中です。
あしたもおたのしみにーーーー!

2014-03-31-MON

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