『ウエディング・ソング』
 斉藤和義

 
2007年(平成19年)

別れるっていうのは、
これからの私の人生から
彼がいなくなってしまう
ことでした。
  (桜雪)

(私じゃない)その人を選んだ人生が今はじまる‥‥

遠距離で5年ほどつきあっていた年下の彼氏がいました。

今までの人生でおそらく、
お互いがお互いの一番の理解者でした。
けれどなぜか結婚には至らず、
結婚しないということならと1年前に別れました。

嫌いで別れたのではありませんでしたし、
頻繁ではありませんが、
思いついたことがあれば
メールのやり取りは続いていました。

先日私が送った他愛もないメールへの返事。
「地元の人の紹介で知り合った人と月末に入籍します。」

覚悟はしていましたがまっしろになりました。
1年あれば、ひとりの人と出会って知り合って
好きになって結婚するには十分な時間でした。

困ったときには彼を頼ればいい。
彼はいつでも(いつまでも)私を助けてくれると、
のほほんと過ごしていた私は、
私の1年は‥‥。
なにやってたんだろう‥‥。

むしろ、恋愛のわずらわしさのない
最良の友人を得たと誇らしいぐらいの気持ちでした。

別れるのは仕方がないことでしたが、
別れるっていうのはこういうことなんだって
今ごろわかりました。

別れるっていうのは恋人でなくなるだけじゃなく、
彼が別の人と結婚してしまうこと。
別の人と結婚してしまうってことは、
これからの私の人生から
彼がいなくなってしまうことでした。

今はまだ心細さでいっぱいですが、
彼と結婚しなかったからこそ
こんなこともあんなこともできたって言えるような
人生を送るしかないんだ!
って、何度も何度も言い聞かせています。

もし自分が結婚することになったら‥‥なんて、
漠然とリフレインしていたこの曲。
まさかこんなシチュエーションで
思い出すことになるとは思いませんでした(苦笑)。

(桜雪)

恋人でいることや
パートナーでいることは、
人生において
「おたがいを、おたがいが、いちばん」
である約束をすること。
何があっても味方になり、
何があっても助けることができる、
そんな存在でいること。
それは、どんなに仲が良くても、
ともだちとは交わせない約束だと、
ぼくは思っています。

「これからの私の人生から
 彼がいなくなってしまう」。
そうなんですよね。
みしみしと音を立てるほどの、
(桜雪)さんの動揺が伝わってきました。

月並みですが、(桜雪)さんにも
きっと、「なぜか結婚には至らず」じゃない、
パートナーがあらわれるはず。
たのしいことがいっぱい待ってる!
そのときはきっと斉藤和義さんの
「ウエディング・ソング」にも、
胸が痛まなくなるんじゃないかな。

そうそう、そうなんですよねぇ。
最良の友人は、いついなくなってもおかしくない。
シェフのいうとおり、
どんなに思い合っていても
いちばんの優先だよ、という約束を
交わすことはできないんですよね。

嫌いじゃなく別れた、
というおだやかな気持ちから
一気に喪失感を味わうと
びっくりして戸惑っちゃいます。
でも、しょうがなかったんだからしょうがない。
しょうがなかったんだからしょうがない!

また、ホントに気が合う人の理解者になれる
恋がやってきます。
次の恋は、手を放さないように、
遠慮なくズバッと、「いちばん」になりましょう。

「友人」と「恋人」を
お互いがまったく同じタイミングで
ぴったりシンクロするみたいに
使い分けて変質することができたら、
ものすごく快適かもしれませんが、
そりゃぁ、もう、絵に描いた餅以上に
まったくあり得ないことですね。

「男女間の友情」というのは
永遠のテーマのひとつでもありますが、
そこに「相手の結婚」が加わると
いっそう難しい問題になりそうです。

別れから1年、というこの投稿は
「恋歌くちずさみ委員会」に
寄せられる思い出のなかでは
そうとう新しい部類に入ります。
いってみればその恋はまだ、かさぶたの下。
人の心と体というのは丈夫なのもので、
ぐずぐずした部分にも
やがってしっかり皮膚が再生するのです。

うっすら白く、傷跡は残ったりしますけどね。
その傷跡がいとしく思えるときも来ると思う。
きちんと下に皮膚が再生するのです。

きっとこのかた、(桜雪)さんは、
できるだけ暗くならないようなトーンで
この投稿を書いてくださったと思うんです。
深く落ち込んでしまいたいところをグッとこらえて、
あかるい将来へと自分で橋をかけるように。

それをここへ送るという行為はもしかしたら、
「おまじない」のようなことなのかもしれませんね。
自分自身と約束をかわすような。
もちろん、「しあわせになる!」という約束です。
このコンテンツには、
おまじないみたいな効能があるのかも?
すこしでも、それがあったなら、うれしいです。

みなさんの恋のお話、
まだまだ募集をつづけています。
過去の投稿をまとめた文庫本と、
きらきらの恋歌を集めたCDも発売中。
こちらからどうぞ

それでは、次は水曜日にお会いしましょう!

2013-07-20-SAT

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