いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

奥さんからポケベルが鳴り、
それがさよならの合図。
(投稿者・サチ)

『あした』
 歌/中島みゆき

 1989年(平成元年)

My恋歌ポイント

 形のないものに
 誰が 愛なんてつけたのだろう

ずーっと昔、家庭のある人と恋をしたことがあります。
当時、携帯電話もなくて、こっちからは連絡できず、
ただただ待ってたっけ・・・

二人で過ごす夜、12時を過ぎると 
決まって奥さんからポケベルが鳴り、
それがさよならの合図。

結婚したい、とも
一緒に暮らしたい、とも望まない、
逢えるときに逢えればいい。
一人暮らしの 都合のいい女・・・

それがそのときの私の精一杯の彼への愛でした。

逢うのはいつもわたしの部屋。

でも一度、一緒に行ったスナックで流れたこの歌。

「わたし、この歌すごい好きやねん。
 もし、もしも別れる事があったら・・・
 この歌を聴いたら、私のこと、思い出してねー!」

なんて、冗談で、
そのときは別れが来るなんて
本気で考えたこともなく、
彼に言ったっけ。

本当に好きだった。
間違ってたけど、あれは、確かに愛だった。

この歌を聴いたら、
きっと私のことを思い出してくれてる・・よね!

♪ガラスならあなたの手の中で壊れたい
 ナイフならあなたを傷つけながら
 折れてしまいたい
というフレーズに
たいへん驚いたおぼえがあります、
中島みゆきの「あした」という曲。
何があったのかわからないけれど、
“この恋は、続かないのかもしれない”
というムードが
曲中のふたりを包んでいて、
もう、やるせないったらないです。

みゆきさんの曲って
失恋とか、道ならぬ恋とか、
そうでなくてもつらい恋とか、
そういう恋に、きびしく、
そして、やさしいなあ、
と、そんなふうに思うのですが、
(サチ)さんのような経験があると
なおさら深くつきささるのでしょうねぇ‥‥。

「電気を消す前、彼は必ず
 結婚指輪を外して、枕元に置くの。
 それがね、うれしいんだか、
 つらいんだか、わかんなくって。
 いまでも、やっぱり、わかんない」
と、妻子持ちと恋に落ちたことのある
知り合いが言ってたのを想い出しちゃった。
絶対泊まらないんだって。
必ず帰るんだって。
そういうのって、ねぇ‥‥。
そんなときにはやっぱり
中島みゆきがぴったりなんだろうな。

みゆきさんの歌の一節一節は
「そこだ」と狙って迫ってくる。
ほんとうに「愛」とか、
誰が名づけたんでしょうね、まったく。

妻子持ちとずっとつきあってた子が
我が友にもいましたが、
この歌のような
「心しか持たない」状態だと
自白してました。
それで自分をただしく見せようとか
そういうことではなく、
ポロッとそう言ってたのが印象的でした。

この歌はサビのところを
すごく覚えてるんですが、
ドラマの挿入歌だったのかな‥‥(調べてみる)、
あ、CMだったんですね。

「わたし、この歌すごい好きやねん。
 もし、もしも別れる事があったら・・・
 この歌を聴いたら、私のこと、思い出してねー!」

このシーンがもう、ドラマそのもの。
絵が浮かびます。

そして、
こういう投稿が届くたびに思うのは、
「相手の男性、
 このコンテンツを読んでないかなー」
ということです。
可能性は低いでしょうけど、つい思っちゃう。

ところで。
武井さんとスガノさんには、
そんなにヘビーな体験をしている
お友だちがいるのですか‥‥。
そっかーー、
珍しいことじゃないのかなあ。
ううむ‥‥‥‥‥。

(サチ)さんの投稿もすごいけど、
同僚のコメントもすごいな。

ふむ‥‥そういう関係にある知り合い‥‥
‥‥検索中‥‥うーん、いないねぇ。
いいとこ、知り合いの知り合い程度。

いや、ひょっとしたら、いたのかもなぁ。
そういうことをおくびにも出さず、
ふつうに、おしゃべりしてたのかもしれない。

あ、そんなこといったら、
いまの自分のまわりにも、いるのかもね。
そう考えると不思議だなあ。
その、薄ーい膜一枚下みたいなところに、
すごく濃密なものが流れていて、
ほとんどの人はそれを知らない。

変な言い方ですけど、
そういうのって、
あって当然なのかもしれない。

2012-01-04-WED

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