いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

彼女の20歳の誕生日に
赤い薔薇の花束を20本送りました。
(投稿者・せんべい怖い)

『もうひとつの土曜日』
 歌/浜田省吾

シングル
『LONELY-愛という約束事』
B面収録曲

 1985年(昭和60年)
 

My恋歌ポイント

 この週末の夜は 俺にくれないか?
 たとえ最初で 最後の夜でも

19歳の頃、小学校、中学校と、
片思いをしていた同級生に再会しました。
彼女は大学生で、少し離れた街に下宿。
私は地元で社会人。

彼女が帰ってきたときに何度かデートに誘い
お茶をするぐらいの関係でした。

他の同級生から、
彼女が年上の人とつきあっていたこと、
あまりうまくいっていないことを訊いていましたが、
ずっと片思いだったせいか
素直に「つきあって欲しい」と言い出せなくて。

当時、よくCDで聴いていた
この歌の歌詞のように
彼女を誘いたかった。

もう少し関係を進めたくて
勇気を出して
彼女の20歳の誕生日に
赤い薔薇の花束を20本送りました。

その年のクリスマスに彼女から
「渡したいものがあるから会いたい」
という電話があり、
どきどきしながら待っていると
東京に遊びに行ったおみやげにと
草加せんべいを渡してくれました。

長い片思いが終わった瞬間でした。

それから、
草加せんべいは一度も食べていません。
別に草加せんべいに罪はないのですが‥‥。

聴いたことがない曲だと思っていたのですが、
念のために確認してみたら、知ってました。

♪ゆうーべ 眠れずにー 泣いてーいたんだろー

という冒頭の部分を、
つるっとくちずさむことができました。

さて、投稿のほうにまいりましょう。
これはもう、
個人的に大好物なタイプの物語です。
ペーソスあふれるエンディング。
物語のロジックなんておかまいなし。
ご都合無縁、腰がくだけるようなまさかの展開。
20本の薔薇の花束に対して、草加せんべい。
なんじゃそりゃ?!
でも、これがリアルというものです。
すごいぞ、単なる事実!

おっしゃるように
草加せんべいはなんにも悪くない。
悪くはないけれど、なんで、草加せんべいなのか。
それを受け取ったときの混乱が
そのままペンネームになっていますね、
(せんべい怖い)さん。
そりゃあ、怖くもなるでしょう。
「わからない」ことは、怖いですから。

おもしろいなぁ。
「どういうつもりで草加せんべいだったのか?」
について推理しながらおしゃべりするだけで、
徹夜とかしちゃいそうです。
この場合の草加せんべいはやはり、
「ごめんなさい、そういう気はないの」
のあらわれなのでしょうか、ねえ‥‥?
ああ、おもしろい!

カックーン!(ちょっと古いこけ方)
いやはや、ナイスな投稿ありがとうございました。

「どういうつもりで草加せんべいだったのか?」
って? そりゃ、義理でしょう。お返しでしょう。
薔薇、なにも通じてなかったってことでしょう。

「そうだそうだ、
 貰いっぱなしじゃわるいわよね、
 気になってんのよね。
 めんどうだけどなにか買ってこうかしら、
 でも重たいものは厭よね、
 持つのもたいへんだし。
 あっ、いいものがあった。
 草加せんべい。
 これでいいわ。軽いし。かさばるけど。
 せんべい嫌いな人そんなにいないし。
 それに、安いし。
 えっ? 草加せんべいって
 東京土産じゃないの?
 埼玉県草加市?
 いいんじゃない? 関東だし」

と、想像しました。
ところで(せんべい怖い)さんは
そのとき彼女にもらったせんべいは、
食べたのかなあ?
ぜひ、泣きながらバリバリ食べた、
と言ってください。

ええとですね、私の推理はこうです。

「あ、おみやげ、忘れてた、
 こないだ花もらったし
(20本だったことには気づいていない)、
 あいつにせんべい買っていこ!
 駅のホームに売っててよかったァ、
 草加せんべい。

 そんでさ、そのあとなんだか
 疎遠になっちゃったのね。
 忙しくなっちゃったのかね?
 そういえばあれはクリスマスだったよなぁ。
 誰かと約束があったのかもしれない、
 悪いことしちゃったー」

です。正面きって好きだ、と言わない限り
彼女、まったく気づいてないのでは。

そして、(せんべい怖い)さんの、

「長い片思いが終わった瞬間でした。」

この一行。すばらしい。
前を向いて歩いていこう。

これ、ややこしいのは
時期がクリスマスだったことだよね。
ていうか、クリスマスというよりは
彼女にとっては「年末のある日」で、
大学も休みになって、
少し離れた街から帰ってきてた、
みたいなことだったんじゃないかなぁ。

まあ、あえて逆の意見を言うと、
「薔薇を送ったあなたの想いに
 あえて気付かないふり」
という説も、ないではないけど、
やっぱり、ないな、それは。

しかし、この「恋歌くちずさみ委員会」では
最後の数行でドラマティックに展開する
大どんでん返しな投稿がときどき届くけど、
ある意味、この投稿も、どんでん返し。
「草加せんべい」とは思わなかった。名作。

2011-12-21-WED

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