いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

携帯がない時代、特に連絡するでもなく
彼のアパートに行ってみると‥‥
(投稿者・ほったこ)

『愛はかげろう』
 歌/雅夢

 1980年(昭和55年)

My恋歌ポイント

 愛はかげろう つかの間の命
 激しいまでに 燃やし続けて
 別れはいつも背中あわせに
 人の心をゆらして

就職して2年目くらい、
同期の男性と仲良くなりました。
彼には1年先輩の女性とのウワサがありましたが
なんとなく付き合うようになりました。

携帯がない時代、
特に連絡するでもなく彼のアパートに行ってみると
かの先輩が来ていました。
なんだかもめてるようではありましたが、
自分より彼女のほうが付き合いは長そうだし
こっちのほうがあやふやな関係に思えて、
踏み込む勇気というか自信もなくて
そのままそっと帰りました。

彼が彼女のことを隠したかったのか、
私が踏み込むことで関係を終わらせたかったのか‥‥。
わからないまま、
その後、その日に行ったことを言うこともなく
あいまいな付き合いが続いたあと、
フェードアウトしていきました。

その頃よく流れていた美しいメロディー。

愛はかげろう つかの間の命
激しいまでに 燃やし続けて〜
別れはいつも背中あわせに
人の心をゆらして〜

自分は歌に出てくるような
か弱い女性ではないけれど、
切なさは心にしみました。

いつか必ず、この曲が出ると思っていたあなた、
そんなあなたは、かなりのくちずさみ世代ですね?
お待たせしました。
日本で最もくちずさみたい恋歌のひとつ、
『愛はかげろう』、
満を持しての登場です。

ああ‥‥なつかしい‥‥。
このジャケットを見ているだけでも
くるおしいほどに懐かしい。
ちょっと鼻にかかった甘い歌声が、いま、
ぼくの脳内にわんわん響いています。
そして、ああ‥‥
例によって、つるりつるりと歌詞がでるでる。
もう、近いうちに、これ、
カラオケでも行ってさ、
もろもろのけじめをつけないといかんですな!
けじめっていうのはつまり、
思う存分歌うということですよ。
もちろん委員会みんなで、合唱をのぞみます。

それはさておき、
(ほったこ)さん、投稿をありがとうございました。
その場面で、
「踏み込む」のか「そっと帰る」のか‥‥。
どちらも当然、間違いではないのでしょうが、
ぼく個人は「そっと帰る」を好みます。
なぜなら自分もきっとそうするから。
あとはそう、
「踏み込む」という選択をしたあとの、
ゴツゴツとしたさまざまな展開を
心から面倒に思うタイプなのです。
そんなややこしいことになるならば、
フェードアウトの切なさを選びます。

『愛はかげろう』は、ほんと、
フェードアウトの恋に似合う曲だなぁ。
かげろうって、儚いものなぁ‥‥。

 

あああ、昭和55年!
検索してみたんですよ、
「昭和55年 ヒット曲」で。
そしたらもう、驚くことに、
上からほぼ全部歌えるんです。
この歌える割合って、
いまじゃ考えられないよ!
そうそう雅夢は「がむ」って読むんですよ。
昭和の喫茶店ぽいよねえ。

で、(ほったこ)さん。
ありますよね、タイミングって。
もう「どっちがどれくらい好き」
とかいう話じゃなくって、
恋や愛やそういうものがすべて
「タイミング」に支配されること。
この場合、じゃあ(ほったこ)さんは
そんなに彼のことが
好きじゃなかったんじゃないの、
もしかしてもう別れ話だったかもしれないじゃない、
強気に踏み込めばよかったでしょ、
みたいな話じゃなくて、
「そういうタイミングだったんだ」
としか言えない、そういうこと。

この事件にかぶせて
「愛はかげろう」がかかるのは
じつに美しいです。
ぴったり。
同じ昭和55年のヒット曲でも
「防人の詩」(さだまさし)や
「恋人よ」(五輪真弓)じゃ重たすぎるけど
「恋」(松山千春)
「秋止符」(アリス)
「さよなら」(オフコース)あたりはいい線。
「よせばいいのに」
(敏いとうとハッピー&ブルー)
「別れても好きな人」
(ロスインディオス&シルビア)は
ちょっと、まつがい。
それにしてもすごいな、
昭和55年。

わあ、昭和55年、すごい!
ゲーム&ウォッチが出て、百恵ちゃんが引退、
ジョンレノンが亡くなった年です。
そんなとき「ザベストテン」に
ランクインしてきた
とっくりセーターの似合う
長髪のお兄さんたち、雅夢。

恋歌くちずさみ委員会の面々が
この歌をそろって歌うとき、
なぜかいちばん輝いているように見える
(周囲の「なぜこんなに盛り上がる?」という
 視線との対比効果がなにしろすごい)
そんな楽曲「愛はかげろう」。

わけもなく感無量です。
(ほったこ)さん、ありがとうございます。

「いつも女の 乾いた涙」
というところを生意気に歌いあげながらも
小さな私はわかっていませんでした。
いまなら少しは‥‥わかるはず。
そんなシーンに出くわしたなら、
笑みを浮かべながらフェードアウト。
もうそうするしかありません。
つくり笑いでごまかしてきた、
あのシーンこのシーンが思い浮かんで
ああ、愛はかげろう。

ひもときすぎ、ひもときすぎ、
キミら、ひもときすぎ。

あまりにも過去を振り返りすぎると、
懐かしむというより
後ろ向きな感じがするし、
かねてより懸念されている
「あまりに一部の世代向けではないか」
という問題も色濃くなってくるよ。

『愛はかげろう』が
懐かしいのはわかるけど、
みんな、検索もほどほどにね。

さてみなさん!
昭和55年といえば、あれです!
野球でいえば赤ヘル軍団、
広島カープの黄金時代!
前年、あの有名な「江夏の21球」で
初の日本一に輝いたカープが
この年も近鉄を退けて2連覇!
そして王選手が868本という
前人未踏の本塁打記録を残して引退。
ああ、夏の甲子園では
愛甲投手を擁する横浜高校が
荒木大輔投手の早実を下して優勝!
モスクワオリンピックが開催されるも
日本は無念の不参加、
ポール・マッカートニーが
成田空港で逮捕され、
大貫さんが一億円を拾い、
そしてドラマではあれです、
かの名作『池中玄太80キロ』が
放映され大人気‥‥って、コラーー!!

これじゃ、なんのコーナーだか
ほんとにわかんないよ。
なんの話だっけ、いや、まったく、
「論旨はかげろう」とはこのことです。

で、『愛はかげろう』の
くちずさみ率もさることながら、
今日の投稿もこってりですね。
踏む込むかなぁ、どうするかなぁ。
ああ、もう、なんか、
考えるだけでも面倒ですね。
で、面倒であるがゆえに、
入っていって終わりにしちゃうかもな、
という気がしないでもないです。

でも、そういう判断って、
現場以外であれこれ想定しても
まーーったく意味ないからねぇ。

歌は美しく、時代は懐かしく、
投稿はこってりとおもしろく。
「恋歌くちずさみ委員会」、
今日もまた濃密でした。
それでは、また、次回!

2011-11-09-WED

はじめて投稿するかたは、
「ゆるやかな投稿のルール」
をお読みください。

2011-04-26

『雨やどり』
歌/さだまさし
〜あまずっぱいイントロダクション〜
 どういういきさつで
 はじまったコンテンツなの?
 そもそものお話です。
2011-04-27

微笑がえし
歌/キャンディーズ
2011-04-28

『卒業写真』
歌/荒井由実
2011-04-29

『初恋』
歌/村下孝蔵
2011-04-30

『青春のリグレット』
歌/松任谷由実
2011-05-01

『ガラスの林檎』
歌/松田聖子

2011-05-02

『恋』
歌/松山千春
2011-05-03

『ぼくがつくった
愛のうた』
歌/TULIP
2011-05-04

『Yes-No』
歌/オフコース
2011-05-05

『そして僕は
途方に暮れる』
歌/大沢誉志幸
2011-05-06

『翳りゆく部屋』
歌/荒井由実
2011-05-07

『グッドバイから
はじめよう』
歌/佐野元春
2011-05-08

『みかん色の
恋』
歌/ずうとるび
2011-05-09

『めぐり逢い
紡いで』
歌/布施明
2011-05-10

『私はピアノ』
歌/高田みづえ
2011-05-13

『卒業写真』
歌/荒井由実
2011-05-17

『木綿のハンカチーフ』
歌/太田裕美
2011-05-20

『サボテンの花』
歌/チューリップ
2011-05-24

『制服』
歌/松田聖子
2011-05-27

『君は天然色』
歌/大滝詠一
2011-05-31

『青春の坂道』
歌/岡田奈々
2011-06-03

『まちぶせ』
歌/石川ひとみ
2011-06-07

『YOUNG MAN』
歌/西城秀樹
2011-06-10

『Oh!クラウディア』
 歌/サザン
オールスターズ
2011-06-14

『安奈』
 歌/甲斐バンド
2011-06-17

『春なのに』
 歌/柏原芳恵
2011-06-21

『かもめはかもめ』
 歌/研ナオコ
2011-06-24

『鳥の詩』
 歌/杉田かおる
2011-06-28

『時のいたずら』
 歌/松山千春
2011-07-01

『微笑日記』
 歌/榊原郁恵
2011-07-05

『タイニー・
メモリー』
 歌/柏原芳恵
2011-07-09

『なごり雪』
 歌/イルカ
2011-07-13

『みずいろの
雨』
 歌/八神純子
2011-07-16

『恋におちて』
 歌/小林明子
2011-07-20

『夜明けのMEW』
 歌/小泉今日子
2011-07-23

『夢で逢えたら』
 歌/吉田美奈子
2011-07-27

『不思議な
ピーチパイ』
 歌/竹内まりや
2011-07-30

『道化師の
ソネット』
 歌/さだまさし
2011-08-03

『君が僕を
知ってる』
 歌/RCサクセション
2011-08-06

『恋するカレン』
 歌/大瀧詠一
2011-08-10

『愛を止めないで』
 歌/オフコース
2011-08-12
【番外編】

『チッチのひみつ』
文・イラスト/みつはしちかこ
2011-08-13

『あなたを・もっと・ 知りたくて』
 歌/薬師丸ひろ子
2011-08-14

『M』
 歌/PRINCESS PRINCESS
2011-08-15

『片想い』
 歌/浜田省吾
2011-08-16

『あんたのバラード』
 歌/世良公則&ツイスト
2011-08-17

『ドゥー・ユー・リメンバー・ミー』
歌/YUKI(岡崎友紀)
2011-08-18

『北の宿から』
 歌/都はるみ
2011-08-19

『バカンスはいつも雨(レイン)』
 歌/杉真理
2011-08-20

『気絶するほど悩ましい』
 歌/Char
2011-08-21

『好きよキャプテン』
 歌/ザ・リリーズ
2011-08-24

『セカンド・ラブ』
 歌/中森明菜
2011-08-27

『また逢う日まで』
 歌/尾崎紀世彦
2011-08-31

『主人公』
 歌/さだまさし
2011-09-03

『時をかける少女』
 歌/原田知世
2011-09-07

『ぼくの先生はフィーバー』
 歌/原田潤
2011-09-10

『悲しみにさよなら』
 歌/安全地帯
2011-09-14

『タッチ』
 歌/岩崎良美
2011-09-17

『横恋慕』
 歌/中島みゆき
2011-09-21

『Your Song』
 歌/エルトン・ジョン
2011-09-24

『ふられ気分でROCK'N'ROLL』
 歌/TOM★CAT
2011-09-28

『メイン・テーマ』
歌/薬師丸ひろ子
2011-10-01

『Lovin' you』
 歌/渡辺美里
2011-10-05

『虹とスニーカーの頃』歌/チューリップ
2011-10-08

『YES MY
LOVE』
 歌/矢沢永吉
2011-10-12

『想い出がいっぱい』
 歌/H2O
2011-10-15

『22才の別れ』
 歌/風
2011-10-19

『You Are My Sunshine』
 歌/JIMMIE DAVIS
2011-10-22

『ANNIVERSARY』
 歌/松任谷由実
2011-10-26

『時間よ止まれ』
 歌/矢沢永吉
2011-10-29

『捨てるほどの愛でいいから』
 歌/中島みゆき
2011-11-02

『オリビアを聴きながら』
 歌/杏里
2011-11-05

『幸せであるように』
 歌/FLYING KIDS
     
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