『捨てるほどの愛でいいから』
　※アルバム『寒水魚』収録曲
　歌／中島みゆき
　1982年（昭和57年）

Ｍｙ恋歌ポイント

　誰にでも
　やさしくし過ぎるのは
　あなたの 軽い癖でも
　わたしみたいな者には
　心にしみる

初恋が高１でした。
ちょっと遅い初恋でしたが、
本当に好きで
しかたありませんでした。
学年は１つ上の先輩。
かなわない恋なのは
分っていたけれど、
２人になると
私が緊張してしまうのを
分っていてくれて、　
いつも誰かと
一緒にいさせてくれました。
お正月のニューイヤーコールも
何時だったら
親じゃなく自分がでるから
その時間に電話頂戴って
いってくれる人でした。
彼女には出来ないけど、
友人以上だよって、
卒業式の日に
第２ボタンを彼女ではなく、
私にくれました。
今でも第２ボタン持ってますよ。
先輩。

Ｍｙ恋歌ポイント

　誰にでも
　やさしくし過ぎるのは
　あなたの 軽い癖でも
　わたしみたいな者には
　心にしみる

24歳かな。恋に落ちました。
でもでも彼は思わせぶりな
「やさしい人」でした。
酔ったときしか
それらしきことは
言ってくれませんでした。
「本気にするよ？」といっても
肯定の言葉は「なし」
でもやさしいんです。
くちづけもありませんでした。
彼が誰かと結婚すると聞いて初めて
「私がもう
　どんなに貴方を好きでも
　駄目なのね？」
と言えました。
「ごめんな」
が電話の向こうから
聴こえてきました。
それが「おわり」なんだと
受話器が冷たくなりました。
（黒電話ですよ。わかるかしら）
今私は45歳になりました。
でも愛した人も
やさしくしてくれた人も
人生でその人しかいません。
うわー泣きそう。
ほぼ日のバケヤロー!!

同じ週に届いた、
全く別々のふたりの女性からの、
全く同じ曲。
中島みゆきさんの古いアルバムの、
Ａ面の４曲目。シングルじゃありません。
そして「恋歌ポイント」も
まったく同じ。

じつはこの

♪誰にでも やさしくし過ぎるのは
　あなたの 軽い癖でも
　わたしみたいな者には心にしみる

というのは、２番の先頭の３行なんですよ。
ここ、かぁ。
サビの

♪夢でもいいから 嘘でもいいから
　どうぞふりむいて どうぞ気がついて
　あの人におくる愛に比べたら
　ほんの捨てるほどの愛でいいから

じゃ、ないんだなぁ‥‥。

大島弓子だったかな、
マンガのセリフに
「あたしゃ片恋（かたこい）のプロだよ！」
っていうのがありました。
成就しない恋も、恋。
ちゃんと振られて傷ついても、
恋は終わらなくて、
片思いに戻るだけ。

でもさ、（ちび）（土井美佳子）さん、
「好きでいつづけた思い」って
ずいぶん力をくれませんでしたか？
ぼくは、そうですよ。

が歌詞を書いてくれたので、
全部が気になって
検索して読んでみました。

当時、わかってなかったわー。
なんて切実な。

軽い仕草、罪ですね、
ほんとにね‥‥。

ところで私は、
もう40歳を越えたのをいいことに、
思い切って、男の人たちに
「脈ありと脈なしの見分け方はありますか？」
と訊いてみました。
「それを見分けたいというのは虫がよすぎるだろう」
と一蹴されました。
とほほ。

そういえばさんに、
「脈ありと脈なしの見分け方ってあるの？」
と訊かれたことがあるような気がする。
で、
「こっちが訊きたい」
と答えた気がする。
思わせぶりっていうのは、
男女どちらも、したりされたりするものですね。
きっと太古の昔から。

ところで、このふたつの投稿の
偶然の一致はほんとにすごい。
もしも、（ちび）さんと（土井美佳子）さんが
会っておしゃべりをはじめたら‥‥

ちび　「名曲ですよね、ほんとうに」
土井　「とくにあそこの歌詞」
ちび　「あれでしょ？
　　　　誰にでも やさしくし過ぎるのは‥‥」
土井　「そうそう！
　　　　あなたの 軽い癖でも‥‥」
ふたり「わたしみたいな者には心にしみる！」
ちび　「そこ！　そこなんですよねぇ〜」
土井　「サビじゃなくて、そこ！」
ふたり「ねええ〜〜」

というふうに意見が一致して、
おおいに盛り上がることでしょう。
そこから互いの想い出話がはじまって‥‥。
いいわぁ、恋歌談義。
くちずさみ委員会も、いつもそんな調子です。

そうそう、間違いなく、
この「恋歌くちずさみ委員会」を
スタートさせてから、
ぶっちゃけな恋愛話を
することが増えましたよ。

だってね、真ん中にね、
「いい恋歌」があるんですよ。
それをつるつるっと
くちずさんだあとだとね、
「いいねー、この歌」
「いいねー、わかるねー」
「そういえばさぁ‥‥」
「うんうん」
‥‥みたいなことに
なりやすいんです、やっぱり。

みなさんもぜひ、
「いい恋歌」を真ん中において
「そういえばさぁ」ってことを
やってみるとたのしいと思います。

そんなわけで、また次回ー。