いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

もっと、気絶するほど悩ましい思いをしなくちゃ
ホントの恋とは呼べないんだから‥‥。
(投稿者・チャーのフェンダー)

『気絶するほど悩ましい』
 歌/Char
 
1977年(昭和52年)
 

My恋歌ポイント

 ああまただまされると思いながら
 ぼくはどんどん堕ちて行く
 うまく行く恋なんて恋じゃない

世良公則さん、原田真二さん、そしてCharさんが
ロックな御三家だったころ、
わたしはちょっとおマセな小・中学生でした。

近くの河原の土手で何時間も話しこんだ初デートも、
学校帰りに自転車で
二人乗りして送ってもらった帰り道も、
校舎の屋上へ続く階段で時間を忘れて過ごした時も、
とても楽しかったはずなのに‥‥

いつもなにか物足りなく思っていた当時のわたし。

こころトキメく人に告白したり、たまには告白されて、
中学生なりにちょっと背伸びしたデートを楽しみながら、
ほがらかな恋愛にどうしようもなく物足りなさを感じて
自分からサヨナラしてしまう。

こんな恋は順調すぎる!
という思いがぬぐいきれない。

もっと、気絶するほど悩ましい思いをしなくちゃ
ホントの恋とは呼べないんだから‥‥。

御三家の中でも、個性派のCharに夢中になり、
でも、英語の歌詩の曲では意味がイマイチ理解しきれず、
結果、Charさんではなく阿久悠先生作詞のこの曲が
わたしの恋心に静かに居座り続けたのでした。

二十歳前後の恋の思い出は、
わりとだめんずうぉーかーだったけれど、
なんか、そのうまくいかなさ加減に
この歌詞で歌われた恋のカタチを求めていたような、
恋の渋みや苦味を味わうことへの優越感と焦燥感。
今といなれば、ほろ苦くあまい思い出です。

よく歌詞をながめて見れば、
とても美しい年上の女性に翻弄される男の子の歌ですが、
中学生のわたしには、
読解力がたらなすぎだったのですね。

「ちょっとおマセな」という言い方で、
すでにもう、キュンとします。
言わなくなりましたねー「ちょっとおマセな」。
投稿内容によれば‥‥
なるほど(チャーのフェンダー)さん、
なかなか「ススんでる」女の子だったようで。

ロックな御三家も、なつかしいなー。
Charさんは、ぼくも大好きでした。
『闘牛士』もよかったなあ。
『明星』のソングブックをみながら、
フォークギターで弾いてました。

「悩ましい」って言葉、
いまは「ちょっと考えちゃうなあ」
「解決策がうかばないんだよなあ」
ていどの意味で使われてますけど、
当時はもっとセクシーな言葉でした。
悩殺、な「悩」。
もう、身もだえしちゃうような感じ。
それが「気絶するほど」なんだから
よっぽどだったんですよ。
(チャーのフェンダー)さんも
あとから「これか!」という恋が
やって来たり、したのかなぁ?

正直、子どものころに
テレビ番組で観ていたときの感覚は、
Charは、ちょっと変わった人、
くらいの位置づけでした。
歌もうまくくちずさめるような
ものではなかったし。

で、その後、その人のことはずっと忘れ、
大学時代に「ピンククラウド」と出会って
あ、こういう人だったのかと再発見。
ずいぶん遅れて
そのかっこよさに気づくのでした。

ちなみにこの歌は
作詞は阿久悠さんで、
いま聞くと沢田研二さんっぽい。

当時、まず、チャーって名前に
びっくりしましたね。
チャー、チャーって!

恋はひと波乱ふた波乱、
求めてしまうものですね。
ものたりない、というのもわかります。
私も「ものたりない」「つまらない」を
避けすぎて、
好みがすこしずつ、すこしずつ‥‥ずれて‥‥。

気絶するほど、ってすごいなぁ。
阿久悠さん。さすが。

2011-08-20-SAT
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