いつもくちびるに、季節の風とラブソングを。
こんにちは、恋歌くちずさみ委員会です。

あまずっぱい企画は、とっても好評!
たーくさんの、おたよりがとどいています。
みなさんの、
たいせつなたいせつな思い出の「恋歌」、
どんどん紹介していきますね。
なのでどしどし、おたより(メール)くださーい!

彼は大学を卒業し、
東京へ就職。

(投稿者・kaoelie)


『木綿の
 ハンカチーフ』
 歌/太田裕美
 
1975年(昭和50年)

My恋歌ポイント

 ただ都会の絵の具に
 染まらないで帰って
 染まらないで帰って

高校の放送部だった私は、
ラジオ番組の収録で出会った、
大学生のパーソナリティーに片思い。

将来、放送関係の仕事につきたいと思っていたわたしは、
彼の仕事にも、彼にも、あこがれたというところです。

ずっと、いちファンとして手紙を書いたり、
収録を聞きにいったり、
そのうち私もラジオのパーソナリティーとして
仕事ができるようになりましたが、
距離は恋に向って縮まらず‥‥。

何故か、20歳の成人式には、
式後、車で迎えにきてくれて、
素敵なレストランで祝ってくれましたが、
それ以上でもそれ以下でもなく。
うれしく悲しい成人式。
先に進めないなら、食事なんて誘うな!!
しかも成人式に‥‥。

そうしているうちに、彼は大学を卒業し、東京へ就職。
そんな時の曲です。

片想いではありましたが、
都会の絵の具に
染まらないで帰ってきてほしいという歌詞と
同じせつない気持ちいっぱいで
きいていた曲です。

その後、彼は都会の生活に挫折し、
こちらに帰って家業をついだと聞いています。
会うと、また恋におちると思うくらいの
思い込みの激しさでしたから、
周りの人もわたしの恋心を知っており、
連絡先教えるよと言ってくださったのですが、
成人式のことが思い出され、
気持ちを断った20代でした。

結局、想いは成就できない
というところも重なって、
忘れられない曲です。

もしまた会うことあったら、
この曲、彼の前で歌ってやりたいですね。
敵討ちてきな気分。

でも、素敵なじーさんになってるやもしれず、
また恋におちたらどーしよ(笑)。

ついに、きました。
ぼくにとってもたいへん強力な「恋歌」です。
ちょっとくちずさむだけで、
もう、胸の奥がギュウーっと‥‥。
せつない、これは、せつなあまずっぱい!

山下さんはねえ、
この曲を歌うと、
泣くんだよ。

そうそう、
とつぜん中座するんだよ。

山下の話はただの事実です。
かいつまんで言うと‥‥。
・恋歌メンバー、打ち合わせ中に、
 『木綿のハンカチーフ』熱唱。
・山下、この歌にまつわる
 恋の思い出について語る。
・山下、語りながらこみ上げる。
・山下、たまらず「ダメだ」と
 ひとこと残して、退室。
・残りのメンバー、大笑い。
・山下、ややあって部屋に戻る。
 取り乱した理由を訊かれ、
 ひと言、「‥‥去来。」と答える。
以後、我々はこういった現象を
「去来」と呼ぶようになりました。

‥‥そうです、ただの事実です。
この歌をみんなでくちずさむうちに、
様々な想いが「去来」して
こらえることができなくなりました。
いまだから言いますが、
みんなが笑ってくれたことが救いでした。

引っ越しを余儀なくされることを
何度か青春期に体験していることも、
この歌に強く反応してしまう理由だと思います。

ま、山下さんの去来はおいといて、
kaoelieさんの思い出、
ほんとにこの歌のとおりなんですねえ。

そしてね、
「でも、素敵なじーさんになってるやもしれず、
 また恋におちたらどーしよ(笑)」
ってところがいいなあ。

だいたい、男は
「クラス会で同級生にがっかりされる」
っていうパターンが多いんだけどね。

そうそう、投稿されたこのお話、
ものすごーく薄ーく
続いているというか、
微妙にまだ終わりきってない感じが。

「いま会ったらどうだろうな」は
一瞬頭をよぎるぐらいが
おもしろいんでしょうけどね。

そういう意味ではさ、
インターネットっていう
便利すぎる道具があって、
恋歌的には、ちと野暮だね。

でもずーっと、
考えちゃうんですよねぇ。
なんで成人式のあの夜、
迎えに来てくれたんだろうか?
くりかえし、くりかえし
いつまでも考えちゃう。
‥‥と言ってるうちに、
私も「去来」してきました。
いかんいかん、次の歌、
次の金曜に!

2011-05-17-TUE
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