小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国、日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。

その参拾伍……選手権

F1グランプリの季節が近づいてきた。
昨年は大ケガからの帰還を果たしたシューマッハの
天才を見せつけるシーズンとなったが、
今年もまた、ホンダの再参戦、念願のフェラーリ
チャンピオンシップゲットなるかなど、興味が尽きない。

弟子「先生、F1楽しみですね」

小林「ああ。だがその前に、
   チェックしておかなあかんものがあるな」

弟子「えっ?」

小林「それはP1グランプリや」

弟子「P1・・?」

小林「いってみれば、おちんちんのF1や」

弟子「なんと!」

小林「ほな、いってみよか」

P1グランプリ。
それはモロッコで行なわれる裏のF1である。
モロッコでは去勢されたおちんちんが、
市場に大量に出回っている。
その中でも足の速いおちんちんをプロモーターが集め、
レースを開催するのがP1なのである。
ちなみにP1とは、
「ペ二くんたちの中で1番速いの誰かな」の略である。

ブルルルルーン! マラマラマラ!!

弟子「凄い音がしますね」

小林「ああ。
   中でもひときわかん高いエンジン音が聴こえるやろ。
   あれが名門フェラーチの12亀頭エンジンや」

弟子「なるほど、確かに気筒ではなく
   12本の亀頭がうなっています」



予選が始まった。
ポールポジション争いは、熾烈を極めた。
コースアウトし炎上。
機能を失うおちんちんが続出した。

弟子「激しい戦いですね。ところで誰が一番速いのですか」

小林「いんのうジェッターやな」

弟子「いかにも速そうな名前ですね」

小林「うむ。シューマッハもレースをするために
   生まれてきたような名前やが、
   いんのうジェッターも負けておらんで」

さあ、レース決勝が始まった。
ポールポジションはもちろんいんのうジェッター。
一気に飛び出し、そのまま第1コーナーを駆け抜ける。
昨年よりも、ひと皮むけた豪快な走りである。

弟子「それにしても、大きさや色がまちまちですね。
   規格は厳しくないのですか」

小林「そやな。F1の場合は大きさが違えば
   すぐにレギュレーション違反に問われるが、
   このレースはそこは寛容やな。
   なにせ個体差があるからなあ」

弟子「カリが高かったり低かったりもしますが、
   それも大丈夫なのですね。
   もっともカリが高すぎても、
   空気抵抗がありすぎて不利ですものね」

レースは20周をすぎ、どうやら優勝争いは
いんのうジェッター、チン健二、
ちんちんかもかもの3人に絞られてきたうようだ。

弟子「あっ、リトル・ジョンが頭の先っぽから
   白い液を吹き出した」

小林「それはあかん。反則や。
   ターボはもう何年も前に禁止されたんや」

しばらくすると、先頭を争っていたチン健二が
左に曲がってスピンした。
アジア系ドライバーは左に曲がる傾向があるので
注意が必要だが、自分自身を制御できなかったようだ。

P1グランプリは自分の意志を裏切って
暴れだすマシンをどうなだめるか。
そして奮い立たせるかがポイントなのである。
結局、ちんちんかもかもも途中で元気がなくなり
スローダウン。中折れリタイヤとなり、
優勝はいんのうジェッターに決まった。



弟子「いんのうジェッターさん、
   表彰台で黒く輝いていますね」

小林「うむ。俺もいつか、
   このグランプリで走ってみたいものやな」

だが、このレースは
海外のビッグマシンばかりが参加するため、
小林先生が出場する場合は
小さいマシンだけで競われる
ジュニアの部で参戦することになるだろう。

2000-02-02-WED

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