KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百拾六・・・品種改良

北小岩 「この音は
 何でございましょうか」

ぷつんぷつん

北小岩 「音だけでは
 わからないと存じますが、
 わたくしの下の毛を
 上方に引いたところ、
 簡単に抜けて
 しまったのでございます」

ぷつんぷつんぷつん

北小岩 「若い頃に比べ、
 とても脆弱になっている気が
 いたします」
小林 「真昼間から、
 ちんぽいじっとるんやないで」
北小岩 「あっ、先生。
 実はわたくしのアンダー毛が、
 弱っているようなのです」
小林 「お前の枯草など、趣がゼロや」
北小岩 「風流なものがあるのですか」
小林 「遅れとるな。
 俺の知り合いで、
 進んだ毛のやつがおる。
 話を聞きにいこか」

師弟は玉金のわきを指で何度もこすり、
ほのかに匂うイカ臭さを動力に
『仁字路毛進(じんじろげすすむ)』氏の
もとを訪れた。

北小岩 「お忙しいところ
 大変申し訳ございません。
 恥毛の趣につきまして、
 おうかがいしたいのですが」
仁字路
毛進
「それに関しては
 こちらをご覧ください。
 私の四季です」

師弟は差し出された4枚の写真を凝視した。
1枚目は春。
若葉のように生えたばかり。
2枚目は夏。
元気よく伸びた陰毛に葉が茂る。
3枚目は秋。
食べられるのかわからない実がなる。
4枚目は冬。
枯れ木のように。

仁字路
毛進
「品種改良して、
 四季が楽しめるように
 したのです」

北小岩 「なんと!
 先生、ご覧ください」
小林 「むっ!
 地面に生えてるものは」
北小岩 「陰毛に間違いございません」
仁字路
毛進
「わたしの陰毛の種が
 落ちて育ったのですね」
北小岩 「このように股間以外で
 繁殖していく様を
 拝見したのは、
 初めてでございます」
仁字路
毛進
「それにより、
 陰毛もワビサビの世界に
 仲間入りしました」
北小岩 「どういうことでございましょうか」

氏が部屋の奥から何かを運んできた。

小林 「盆栽やな」
北小岩 「つるつるした石が、
 おちんちんと玉金を表現。
 下から伸びる陰毛との
 コントラストが見事でございます」
小林 「幽玄なる世界やな」

こんなところで使われるのは、
幽玄という言葉にとっても迷惑至極であろう。

それにしても、
常日頃変化の少ない陰毛を、
四季ごとに楽しもうという試みは、
今後評価されることになるかもしれない。

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2018-06-24-SUN

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