KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の七百拾壱・・・予言

北小岩 「先生、大変でございます!」
小林 「なんや。
 ミニスカートの美人が、
 いきなりほかほかパンティを
 くれたんか」
北小岩 「いえ」
小林 「そうか」

肩を落とす先生であった。

北小岩 「しかし、近いともいえますね」
小林 「言うてみい」

先生の目が再び輝きだした。

北小岩 「町はずれの祠から、
 予言書が見つかったことは
 ご存知ですか」
小林 「知っとるな」
北小岩 「ついに解読されたらしいのです」
小林 「解読作業にあたった学者の
 万見留男(まんみるお)は、
 裏本の解読の方が得意やが、
 がんばったな」
北小岩 「その予言が発表されたのです」
小林 「ほほう」
北小岩 「町にとって、
 福音に違いございません!」
小林 「どんな予言なんや」
北小岩 「『この町の扉が
  いっせいに開く』」
小林 「いつや」
北小岩 「今日でございます。
 その時刻は間近です」
小林 「外に出てみるか」

予言は町中の人々に伝わっていた。

商店街
のおっ
さん
「俺の店、
 傾きかけてるけど、
 扉が開けば持ち直すな」

安堵の表情を浮かべる。
町きっ
ての
モテな
いヤツ
「扉が開けば、
 俺にも彼女ができる!」


早くも興奮している。

北小岩 「3秒前でございます」
小林 「ついにか」

ピッピッパ〜ン!

カタッ

「キャ〜ッ!」

「キャ〜ッ!」

小林 「女の悲鳴や!」
北小岩 「駆けつけましょう!」

師弟は公衆便所に突入した。

女性A 「何見てんのよ!」
女性B 「いきなりトイレの
 扉が開いたのよ!
 お前らなんで
 女子トイレに
 入ってるんだ!」

先生と北小岩くんはその後、
女性たちに顔面を殴られた。

町の祠に残されていた予言・・・。
今日のこの時刻に、町の女子トイレの扉が
いっせいに開くということだったのである。
 

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2018-05-20-SUN

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