KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百八拾四・・・刺股

ガタンゴトン

小林 「普段なら
 数十キロは歩く俺たちやが、
 さすがに冬はこたえるからな」

二人の所持金は先生が2円、弟子が2円。
合わせて4円。
そんな師弟がなぜ電車に乗っているかといえば、
エロ本の見本市でできるだけえげつないエロ本を
と知り合いの社長から頼まれたからである。
電車賃も恵んでいただいたため、
今日は特別に電車通勤なのである。

北小岩 「極楽ございますね」
小林 「早足で歩く。
 そして立ち止まる」
北小岩 「あたためられた玉金が冷える」
小林 「そしてまた、早足で歩く」
北小岩 「立ち止まる」
小林 「あたためられた玉金が冷える」
北小岩 「わたくしたちの玉金は、
 金冷法により
 常に鍛えられていたわけで
 ございます」
小林 「その猛々しい玉金で、
 女性たちに随喜の涙を
 流させてきたわけやから、
 今日ぐらいはのんびり行こ」
北小岩 「御意にございます」

こんなどぐされな二人の玉金に期待する女性など、
全宇宙をくまなくさがしても皆無であろう。

小林 「ドア窓のシールに
 何か書いてあるな」
北小岩 「そうでございますね。
 『駅構内、車内で不審な物を
  見かけた場合は、直ちにお近くの
  駅係員または乗務員に
  お知らせください』」
小林 「そんなものが見つかったら
 大騒ぎになるな」

「キャ—!」

北小岩 「どうしたのでございましょうか」
小林 「油断するな」
女性客 「乗務員さん、不審物です!」

ダダダダダッ

女性
乗務員
「どこですか」
女性客 「あそこです!」

女性が指さす方へ、
車内の乗客すべての視線が集まった。

女性
乗務員
「確かに不審物です!
 応援を呼びます!!」

乗務員が無線で応援を呼ぶと。

どわどわどわ

屈強な女性乗務員たちが、
刺股を持って駆けつけた。

女性
乗務員
「あそこです!」
女性
乗務員
「ほんとだ。
 すぐに除去しなきゃ!」


乗務員たちが座っていた一人の男を倒し、
刺股で床に押し付けた。

「俺が何をしたっていうんだ!」
女性
乗務員
「あんたの股間に
 ぶら下がっているものは仕方ない。
 でも車内でそこを大きくしたら、
 それは不審物になるのよ!」

特殊な刺股が、
大きくなっているイチモツをとらえた。

女性
乗務員
「覚悟しなさい!!」

ピッ

グルグルギュワ〜〜〜〜ン

スイッチを押すと、
とてつもない速さで回り始めた。

「うげ〜〜〜!」

ポロッ

北小岩 「とっ、
 とれてしまいました・・・」


パチパチパチッ

車内の女性たちはスタンディングオベーション。
しかし、男性たちは顔面蒼白であった。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2015-12-13-SUN

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