KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百参拾伍・・・霜柱

北小岩 「先生、わたくしたちは
 この情報化社会にあって、
 あまりに情報を
 持っていないのでは
 ございませんか」
小林 「テレビは壊れとるし、
 パソコンはもともとない。
 とはいえ、俺たちの情報量は
 かなりのものだろな。
 ついこの間も」
北小岩 「町の広場にどこかから飛んできた
 パンティーが落ちていた
 一件でございますか」
小林 「そやな」
北小岩 「確かに一番最初に
 情報をつかんだのは先生でした。
 ブツはエゲツない逸品で
 ありましたし、
 交番に届けるふりをしてわたくし、
 保存してございます」
小林 「やはり貴重な情報やったんやな」
北小岩 「そうとも言えなくもない気も
 いたします。
 しかし、もう少し社会的な情報を
 持っていた方が
 よいのではないでしょうか」
小林 「お前、随分大人びたことを
 言うようになったな。
 それで、どのように情報を
 得ようと思っとるんか」
北小岩 「三軒隣のお家ですが、
 窓のそばにテレビを置いてます」
小林 「そやな」
北小岩 「窓の下に仰向けになって寝て、
 テレビニュースを聞くというのは
 いかがでしょうか」
小林 「どことなく貧乏臭いが、
 何事もやってみないと
 わからんからな」

二人はコソ泥のように三軒隣の家に近づき、
窓の下に寝ころんだ。

小林 「確かにニュースが
 よく聞こえるな」
北小岩 「そうでございますね。
 天気予報でございましょうか」
お天気
お姉さん
『この冬、
 霜柱がいやらしいでしょう」
北小岩 「なんと!」
小林 「どういうこっちゃ」
北小岩 「ともかく公園に
 行ってみましょう」

いつもと変わりないように見えるのであるが。

にょき〜ん!

スカート
をはいた
女性A
「きゃ〜!」
小林 「見たか!」
北小岩 「はい!
 巨大な霜柱が突然伸びて、
 スカートをめくりあげました」

にょき〜ん!
なでなで〜!

スカート
をはいた
女性B
「きゃ〜!
 どこ触ってんのよ!」
北小岩 「ご覧になりましたか」
小林 「霜柱のやつ、
 女の秘所を的確にとらえたな」

「きゃ〜!」

「きゃ〜!」

いろいろな場所から、
女性の叫び声が響き渡った。
今冬の霜柱はいやらしい。
女性の方々は、くれぐれも注意されたし。

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2015-01-04-SUN

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