KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の伍百弐拾四・・・視力

小林 「これで俺も、
 ジェントルマンにしか
 見えんやろな」

だら〜っ

小林 「しまった!
 ネクタイの結び方がわからん」
北小岩 「あれっ、先生。
 スーツを持ってらしたのですか」
小林 「持ってるわけないやろ。
 エロ本友だちの社長から
 借りたんや」
北小岩 「そうでございましたか」
小林 「ところがネクタイの締め方が
 わからなくてな。
 お前、知っとるか」
北小岩 「確か、己の金玉の大きさに
 結べばよいと
 うかがったことがございます」
小林 「そうだったか」

締められないので、
やたらとでかい結び目だけをつくった。

小林 「まあええやろ。
 これを手に持っとれば、
 玉の大きさだけはわかるやろ」


まったく意味のないことである。

北小岩 「ところで先生は、
 なぜおめかししているので
 ございますか」
小林 「小学校時代の
 ミニ同窓会があってな。
 もちろん俺が一番出世したと
 思わせる作戦やな」

先生など、出世という言葉を
口にするのもおこがましい。

小林 「ほな、行ってくるわ」
北小岩 「再会をお楽しみください」
小林 「地図が来とったな。
 こっちか。
 金持ちになったやつも
 おるだろうから、さぞ立派な。
 むっ!」

先生がむっ! と声をあげたのも、
むべなるかな。
会場は隣町空き地のどかんの中だった。

小林 「仕方ない。
 入ってみるか」

そこには先客が一人。

小林 「おお!
 珍皮(ちんかわ)やないか」
珍皮
(ちんかわ)
「久しぶりだな」
小林 「近頃どうや?」
珍皮 「すっかり視力が落ちてな」
小林 「しゃあないな。
 でも、お前、目だけは
 やたらとよかったやないか」
珍皮 「ここについてる目は2.0だよ」
小林 「悪くないやないか」
珍皮 「俺の視力が落ちたのは、
 顔についてる目じゃないんだ」
小林 「どういうこっちゃ」
珍皮 「視力が落ちたのは、
 ちんちんの目なんだ」
小林 「なんじゃそりゃ!」
珍皮 「お前知らないのか。
 ちんちんには視力があって、
 例えば小便をする時に、
 便器につかないように
 目を凝らしてるんだよ。
 ところが二年ほど前から
 距離感がつかめず、
 便器にべったりつくように
 なってしまってな。
 きたねえ便器だと、
 ほんと困っちまうよ」

普段あまり意識しないことであるが、
ちんちん自身にも視力があるらしい。
そのことは、頭の片隅に
置いておいた方がよいかもしれませんね。

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2014-10-19-SUN

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