KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百七拾九・・・至上主義

とんとん とんとん

先生宅の門をたたく音がする。

北小岩 「珍しく、お客様が参りました」

とんとん とんとん とんとん 

「入ってますか」

北小岩 「入ってますよ」

まるでトイレ(大)のような会話がなされ。

北小岩 「こんにちは。
 何か御用でございますか」

「まずはトイレをお借りできますか」

客人は一目散に厠をめざし、大をし終えると。

「私はここから20キロ離れた港町の
 町長をしています。
 今、町で至上主義が蔓延して
 大変なことになっているんです。
 小林先生の噂を耳にしまして、
 何とか解決していただきたく」

小林 「そういうことか。
 そこまで頼まれれば、
 いやとはいえんな。
 俺も哲学や思想は
 専門分野と言っても過言やない。
 だが、解決させたあかつきには、
 気持ちええことが待っとるんやろな」
町長 「もちろんですよ。
 ウハウハな思いをしていただきます」

商談はまとまり、
三人は徒歩で20キロ先の港町へ。

北小岩 「至上主義と言うのは
 とても難しそうで、
 わたくしの頭では
 到底理解できません」
町長 「いえ、それほど難しいことじゃ」

ボチャン!!

「キャ〜!」

「たすけてくれ〜」

町長 「あっ、まただ。
 待ってろ」

男にむかっておめこ型の浮き輪を投げた。

小林 「なるほどな。
 落ちる前にたまたま俺は、
 奴の股間を見た。
 そこには長さ69センチ、
 直径30センチはあろうかという
 イチモツがそびえておった。
 どう考えても、
 特殊シリコンで巨大にしとるんやろ」

北小岩 「ということは、
 至上主義と言うのは」
町長 「その通りです。
 この町には
 『ちんちん至上主義』が蔓延し、
 その弊害が出ているのです。
 彼は彼女に自慢のイチモツを見せて
 気を引こうとしたのですが、
 バランスを崩して
 海に落ちてしまったのです」

「げげっ! 勘弁してくれ!!」

道路の向こうから男の悲鳴が聞こえた。

北小岩 「1メートル以上ある
 細長いおちんちんを出している男が
 立小便をしようとして、
 イチモツがヘビに
 からまれました!!」
町長 「彼は己のブツを長くするために、
 毎日縄でちんちんを
 牛車に結び付けて
 ひかせていたのです。
 しかし、用を足そうとしたところ、
 散歩をしていたメスヘビが
 ご立派なモノを見て、
 色気づいてからんだのです」
小林&
北小岩
「・・・」


その後、今まで培ってきた哲学や思想で
二人に論駁を試みた先生であったが、
至上主義に邁進する者たちを説得するのは
不可能であった。

海に落ちた男、メスヘビにからまれた男から、
「じゃあ、お前ちんちんを見せてみろよ!」
と言われ、彼らのちんちんは
何の細工をしなくとも
先生のモノの倍はあることに気づき、
戦意を喪失したからである。

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2013-12-08-SUN

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