KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百伍拾九・・・素手

北小岩 「先生、今日は何をしましょうか」
小林 「そやな。
 俺ぐらいのレベルになると、
 高尚なことをし飽きた感があるな」
北小岩 「さすがでございますね!」
小林 「哲学書を読み過ぎて
 目を傷めたしな」

目を傷めたのは、下着の下を透けて見る能力を
身につけようとして、エロ本のデリケートゾーンを
呆れるほど長時間凝視し、失敗したがためである。

北小岩 「では今日は、
 あまり学問と関係のないことに
 いそしんだ方がよさそうですね」

小林 「そやな」

ギーッギーッ

どこからか、リヤカーを引く音がする。

小林 「あれは町一番の『真実の人』やな」
北小岩 「もしもし、
 どちらかへお出かけですか」
真実
の人
「近頃どうも勘違いした奴が多くてな。
 少しばかり、
 軌道修正をしたいと思ってな」
北小岩 「そうでございますか。
 町にあなた様のように
 立派な方がいらっしゃることを、
 誇りに思います」
小林 「そやな。
 俺たちも正しに行ってみよか」
真実
の人
「では荷台にお乗りなさい」
北小岩 「よろしいのでございますか」
真実
の人
「真の道を追求するには、
 多少の重荷が必要だよ」

やや、わかったようなわからぬような物言いだが、
師弟が乗るとゆっくりと引き始めた。

先生がエロ本を凝視し続けて
目を傷めたぐらいの時間がたち、
とある森の川岸に到着した。

北小岩 「漁をしておりますね」

不敵な面構えの男が網をあげると、
何匹もの魚がかかっていた。

不敵な
面構え
の男
「俺様にかかればこんなもんよ。
 俺様にかなう魚なんていねえ。
 雑魚はいらねえ」

グシャッ

不敵な面構えの男は、
小さな魚を捨てると踏み潰した。

真実
の人
「君は自分の力を過信しとるが、
 どれほどのもんかな」
不敵な
面構え
の男
「なんだ?
 うっ」

真実の人は信じられないほどの素早い動きで、
不敵な面構えの男の服を脱がして全裸にし、
急流に放り投げた。

真実
の人
「お前、偉そうなことばかり
 ぬかしとったが、
 素手で魚を捕まえてみい!」
不敵な
面構え
の男
「俺様にかかれば」

何度もチャレンジするが、
魚に触れることすらできない。
しまいに足をすべらせ、流され。

不敵な
面構え
の男
「うわ〜、助けてくれ!」

真実の人が網を投げると、
不敵な面構えの男はそこに入った。

真実
の人
「今のお前が素手でできることなど、
 オナニーだけだ!!!!!!
 これからは己の素手で勝負せい!」
不敵な
面構え
の男
「俺様が素手でできるのは、
 オナニーだけ・・・。
そうだったのか」

男は、冷たさで縮んだポコチンと同じように萎れた。

「お前が素手でできることなど、オナニーだけ」。
素手で戦わずに偉そうに威張り散らしている
男たちが、肝に銘じなければならない、
大切な教えかもしれない。

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2013-07-21-SUN

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