KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百四拾壱・・・畑

チュンチュン チュンチュン

さわやかな朝。スズメが遊んでいるのであろうか。

チュンチュン チュンチュン

ガラガラッ

雨戸が開いた。
小林 「チュンチュン。
 どや、俺の雄スズメの真似は」
北小岩 「さすがでございます」
小林 「雌スズメもこの声を聴けば
 ウハウハやろ」
北小岩 「間違いございません」

さわやかではない朝であった。

小林 「庭の草花にもあいさつしとくか」
北小岩 「先生の御心の美しさは、
 草花にも届くと思います」

先生が庭に下りようとすると。

小林 「むっ、これはなんや!」
北小岩 「いつの間にか
 お庭が耕されております!」
小林 「それも全面や」
北小岩 「怪しげな男たちがおります」

先生と弟子が便所草履でダッシュする。

小林 「なんやお前らは」
男A 「見ればわかるだろ」
小林 「わかるか、どあほ!」
北小岩 「先生の大切なお庭で、
 パンツまで脱いでしゃがみこみ、
 汚いものを土につけて、
 どういうつもりでございますか」
小林 「そいつの金玉をよく見てみい」
北小岩 「うわっ!
 玉から芽が伸びております」
小林 「なんやそれは!」
男A 「玉ネギに決まってるだろ」
小林 「・・・」

北小岩 「あちらにいらっしゃる方は
 お尻が妙なことになっております」
小林 「つるが出とる」
北小岩 「こうではないかというものが
 わたくしの頭にございますが、
 いちおうお聞きします。
 それはいったいなんでございますか」
男B 「尻コダマスイカに決まってるだろ」
北小岩 「やっぱり・・・」

一夜にして先生の庭が畑になっていた。
そこにいる男たちの身体の一部で、
野菜化、果物化が進行している。
怪奇現象ということもできるが、
どうでもいい話ということもできるであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2013-03-17-SUN

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