KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の四百伍・・・遊具

ギランギラン

「あちちちでございます。
 もうすぐ夏でございますね」

「すけべおじちゃん、ぼくたちとあそぼうよ」

「と申しましても、わたくし、
 こう見えて雑用をたくさんこなさねばならぬ
 身なのでございます」

「だいじょうぶだよ、
 すけべおじちゃんがいなくても、
 まったくなんのさしつかえもないとおもうよ」

「君たち、
 まずそのすけべおじちゃんという呼び方を、
 真心おにいさんに改めていただけませんか。
 そして、
 なんのさしつかえもないかどうかでございますが、
 たまにさしつかえることもあるかと存じます」

町の子どもたちから、
己の存在について図星を指されて動揺を隠せないのは、
弟子の北小岩くんであった。

小林 「何やお前、
 おさなごたちにからまれとるんか」
北小岩 「あっ、先生。
 そういうわけではございません」
子どもA 「そうだ、イカ臭おじさんも、
 いっしょにあそぼうよ」
小林 「何っ!
 お前らみたいな糞ガキと」
子どもB 「あそこをみてよ。
 ぼくたち、
 あのきれいなおねえさんたちと
 あそんでるんだよ」
子どもA 「せっかくだからとおもったんだけど、
 まあいいか。それじゃ」
小林 「君たち、待ちなさい。
 俺もそろそろ、
 君たちと戯れるのもいいかと
 思っとったんや」

先生の心変わりには、必ずと言っていいほど、
エロが触媒となっている。
今回ももちろん。

小林
(小声で)
「なあ北小岩、
 あそこでブランコに乗っている
 ミニスカートの女たちを見てみろ」
北小岩
(小声で)
「しかと見届けております。
 一人はパンティが
 ちら見えしておりますが、
 もう一人は黒っぽいものが。
 間違いなくノーパンかと思われます」
小林 「さあ、君たち、
 あのお姉さん方を混ぜて、
 遊ぼうやないか」
お姉さんA 「一緒に遊んでいただけるんですか。
 うれしい。
 じゃあさっそく、
 すべり台でちんちん電車をしましょう」
小林
(小声で)
「聞いたか。
 俺たちの魅力に負けて、
 向こうから鎌かけてきおったな」
お姉さんB 「早く早く」
小林 「まず俺が行くわ」

先生がすべり台に上がると、
パンティがちら見えしているお姉さんが
先生を座らせ、後ろからしがみついた。

お姉さんB 「行くわよ!」

すべり台には油が塗ってあるらしく、
二人は猛スピードで下降した。

キーン!

小林 「うぐっ」

すべり台の下方に設置されていた鋼鉄の棒が、
先生の金的を捉えた。

 
お姉さんA 「次はあなたね!」

北小岩くんは長いシーソーの端っこに座らされ、
もう方側にお姉さん二人と子どもたち、
そして重りが載せられた。

シーソーは大きく傾き、弟子は上空へ。
手で握っていた鉄の棒が外れ、
シーソーにも油が塗ってあるらしく、
猛スピードで下降した。
待ち受けていたのは、鋼鉄の棒だった。

キーン

北小岩 「ぎょわ!」


師弟は股間に深い傷を負った。
なぜ、お姉さんたちと子どもらが手を握って、
師弟撲滅に走ったのかは謎である。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
メールの表題に「小林秀雄さんへ」と書いて
postman@1101.comに送ってください。

2012-07-08-SUN

BACK
戻る