KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百九拾九・・・宇宙

小林 「どや、こないだの金環日食、
 ばっちり見えたか」
北小岩 「トライはいたしました」
小林 「どういうこっちゃ」
北小岩 「先生から観察用のメガネを
 いただきましたね」
小林 「そやな。
 俺が知り合いの学習塾の塾長に交渉し、
 エロ本2冊と交換したんやな」
北小岩 「そのように貴重なものを
 いただいておきながら、
 大変申し訳ございません」
小林 「寝坊でもしたか」
北小岩 「目はぎらぎらに冴えておりました。
 しかし、金環になる前に
 慣れておこうと思いまして、
 メガネをして歩く練習をしたのです」
小林 「金環日食を見るのに、
 メガネをかけて歩く必要は
 ないと思うが」
北小岩 「おっしゃる通りでございます。
 歩くだけでは物足りなくなり、
 走ったのでございます。
 ところが前が見えなくて、
 石につまずいてしまい」
小林 「先まで聞かずとも展開がわかるな。
 そのまま糞の上に倒れて、
 メガネに糞がついたんやろ」
北小岩 「そうなのでございます。
 メガネがわたくしの目を
 守ってくださったのですが、
 糞がフィルターを覆ってしまい、
 使い物にならなくなって
 しまったのです」
小林 「まあ、お前のために
 貴重なエロ本を放出した俺が
 馬鹿やったな。
 一応言っとくが、観察用のメガネは、
 糞から目を守るためではなく、
 太陽の光から目を守るために
 あるんやからな」
北小岩 「おっしゃる通りでございます」

小林 「過ぎたことをいつまで愚痴っても
 らちがあかん。
 俺の古くからの友人に、
 宇宙についてやたらと
 詳しい奴がおるから、
 せめて金環日食の話しだけでも
 聞いてみるか」

二人はどこかで拾ってきた缶詰の金色のフタで
急所にフタをして、
宇宙についてやたらと詳しい奴の家に向かった。

トントン

小林 「入ってますか」
宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴
「入ってますよ」
北小岩 「どうもはじめまして。
 わたくし、平安時代以来と言われる
 金環日食を見損なってしまいました。
 華麗なる宇宙ショーは、
 いかがだったのでしょうか」
宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴
「金環日食もいいけれど、
 今宇宙では
 大変なことが起きているんです」
北小岩 「と申しますと」
宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴
「あまり知られていないことですが、
 宇宙にはとてもでかい人が
 住んでいるんですね」
北小岩 「はあ」
宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴
「そのでかい人が、
 太陽に小便をかけて
 消そうとしてるんですよ」
北小岩 「なんと!
 そんなことになったら、
 暗くなってしまうではありませんか」
宇宙に
ついて
やたらと
詳しい奴
「当然、暗くなるだけでは
 すまないでしょうね。
 そして、流れ星を股間に入れて
 臭くして、地球に星が接近した際に
 とても臭い匂いがするようにしようと
 企てているのですよ。
 宇宙にいるいい人たちが
 それを阻止しているのですが、
 ほんとに彼らにがんばってもらうしか
 ないですね」

二人は地球に関わる最重要な話を耳にしたが、
何もできることはないだろう。
ともかく、臭い匂いには何とか
耐えられるにしても、
太陽に小便をかけるのだけはやめてほしい。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2012-05-27-SUN

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