KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百八拾伍・・・嫌い

人畜無害にして極端に謙虚な人柄から、
好感を持たれることが多い
弟子の北小岩くんであったが、
なぜか彼を目の敵にする男がいる。
その名は、御著栗増夫(おちょくりますお)。

御著栗 「なんだ、北小岩じゃねえか。
 お前まだ、先生と呼ばれる
 インチキ腐れちんぽ野郎の所に
 いるのか」
北小岩 「何をおっしゃいますか。
 確かに先生は、
 腐れちんぽ野郎かもしれません。
 いえ、間違いなく
 腐れちんぽ野郎でしょう。
 しかし、先生は決して
 インチキではございません」
御著栗 「どこがインチキじゃないのか、
 言ってみろよ」
北小岩 「うっ。
 小林先生がいかに
 真っ当であるのか、
 言葉にするのは
 とても難しいのでございます」
御著栗 「やっぱりインチキじゃねえか」
北小岩 「なぜ、あなたは
 わたくしにそのような嫌味ばかりを
 おっしゃるのですか」
御著栗 「お前のことが嫌いだからだよ。
 あばよ」
北小岩 「わかりました。
 ちょうどよいでございます。
 わたくしも、
 あなたのことが嫌いでございます。
 わたくしのことはともかく、
 先生の悪口は許せません。
 糞くらえでございます!」

ガッ

スルスル

北小岩 「うわ〜〜〜!」

弟子は落ちていた棒で、
道端の糞を刺して投げようとしたのだが、
腕を振り上げた拍子にブツがすべり
手についてしまったのだ。

小林 「お前、何しとるんや?」
北小岩 「今、大嫌いな方が
 先生を侮辱いたしましたので、
 糞を食らわそうとしましたら、
 自分が食らってしまったので
 ございます。
 もう二度と会いたくない・・・」

目に涙を浮かべて訴えるのであった。

小林 「しゃあないな。
 俺の友人に、嫌いな者同士が
 お互いにとって
 有効に機能するようにする男がおる。
 行ってみるか」

二人はそれぞれの急所に手刀を打ち込み、
その痛さを原動力とし、
寒風の中、友人宅まで激走した。

ビュン!

ドン!

「へへっ、また外しやがったな。へなちょこ野郎」

「るせえ!」

ビュン!

ドン!

北小岩 「何でございましょうか。
 透明の盾を持った方に向かって、
 全力投球しております。
 盾を持った方の局部の所が
 ボール1個分くりぬかれ、
 奥のイチモツは
 むき出しになっています」
嫌いな者
同士が
お互いに
とって
有効に
機能する
ように
する男
「あいつらは、
 心の底から
 嫌い合ってるんだな。
 だから投手は
 必死に球を玉に
 当てようとしている。
 盾を持ったやつは
 AV男優なんだが、
 緊張感を強いられることで
 イチモツに度胸がつく。
 嫌い合ってるがゆえの真剣勝負で、
 二人とも成長していくんだよ」

ドコッ

「うっ、いてえ!」

AV男優の巨大なバットに、硬球がめり込んだ。

「やったぜ!!!
 でも・・・だっ、大丈夫か」

小林 「奴らは今後、
 なかよくなるかもしれんな」

これはほんの一例である。
嫌いな者同士がお互いにとって
有効に機能するようにする男は、
次の時代のキーマンになるかもしれないし、
まったくならないかもしれない。

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2012-02-19-SUN

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