KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百七拾九・・・婚活

小林 「なんぼ入っとる?」
北小岩 「少々お待ちくださいませ」
小林 「分け前は俺が99.999、
 お前が0.001やな」
北小岩 「かしこまりました」

ガタガタッ

北小岩 「何かがたくさん入っております」
小林 「やったな。はよう、よこさんかい」
北小岩 「よろしいのでございますか」
小林 「お前、もったいぶるふりをして、
 ネコババしようとしとるな」
北小岩 「そんなことはございません」
小林 「すぐよこせ!」
北小岩 「かしこまりました」

弟子の北小岩くんが大きな木の箱を
投げるようにして途中で止めると、
中から何かが飛び出し、先生の顔についた。

小林 「なんやこれは!
 犬の糞やないか!!」
北小岩 「先生が99.999、
 わたくしが0.001の割合で付きました」

先生はセコく儲けようと、家の前に賽銭箱を設置した。
しかし、金を入れる者はなく、
犬の糞が大量に投げ込まれていたのだ。

北小岩 「仕方ございません。
 新年早々
 強ウンがついたと思えば・・・」

先生が般若の形相になっているのを確認し、
北小岩くんは話題をかえた。

北小岩 「そっ、そういえば今日、
 先生は婚活の講師に
 招かれているのでございましたね。
 急ぎましょう」

何の手違いか先生に、
結婚したい男たちにアドバイスする大役が
まわってきたのだ。
北小岩くんは師をなだめ、会場へ送り込んだ。

北小岩 「出番でございます」
小林 「こほん!
 君たちは今まで美しい恋をせずに
 生きてきてしまったな。
 そんなことでは、結婚は遠いで」
アドバイス
を拒否する
男A
「なにいってんだよ、
 生まれて一度も
 モテたことがないおっさんが」
アドバイス
を拒否する
男B
「俺たちは婚活を
 かなりポジティブに考えてるぜ。
 見てみろよ」
小林 「むっ!」

男がズボンとパンツを同時に下げると、
陰部の毛穴ひとつひとつから、
赤い糸が生えているのだった。

アドバイス
を拒否する
男B
「どんな女だってこれを見れば、
 運命の男と出会ったと思うだろ」

アドバイス
を拒否する
男A
「俺は積極的に
 女がお持ち帰りできるように、
 ちんちんに取っ手をつけてるよ」

小林 「おっ、お前ら・・・」

近頃の若い者はと侮ってはいけない。
彼らは彼らなりに、懸命に婚活をしているのだ。
たとえそれが、王道から遠く外れ、
ほとんど効果がないと思えるにしても。

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2012-01-08-SUN

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