KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百参拾六・・・逆

石焼〜イモ、おイモ〜

「おいしそうな声でございますね。
 とりあえず、見学に行きましょうか」

所持金が3円しかないため、買うことはできない。
しかし、見るだけはタダとばかりに駆けつけたのは、
弟子の北小岩くんであった。

北小岩 「石の焼ける甘い匂い、
 たまりませ〜ん!
 みなさ〜ん、
 とろけるおイモですよ〜!」

「わ〜、おいしそうね!」

北小岩くんの心の叫びが功を奏したのか、
長蛇の列ができた。

焼いも
屋さん
「あんたのおかげだよ。
 これ、食ってくれ」
北小岩 「ありがとうございます!」

見事にせしめたのであった。

北小岩 「ふ〜、この湯気がなんともいえず。
 いっただきま〜す」

パクッ

プ〜〜〜〜〜〜〜〜!

北小岩 「早くもおならさんの登場です。
 さぞや臭いことで、
 んっ?
 無臭でございます」
おなら 「くせ〜!
 おめえ、臭えよ!!」
北小岩 「申し訳ございません!
 それにしてもこの状況はいったい?」
小林 「お前、屁に臭がられたやろ」
北小岩 「あっ、先生。
 実はそうなのでございます。
 わたくしがおならさんを臭がるのは
 わかるのですが、
 わたくしがおならさんに
 臭がられることになろうとは」
小林 「そのことか。
 いま世の中では、
 様々な逆現象が起きとるらしいんや。
 さっき俺は小便をしたんやが、
 金玉が上にあり棹が下にあった」
北小岩 「なんと!」

小林 「ニュースでやっとるかもしれんな」
北小岩 「見てみましょう」

テレビをつけると。

テレビに
うつって
いる人A
「なんだ、あのスケベそうな
 肥溜めみたいな男は」
テレビに
うつって
いる人B
「ちんちんも度外れて
 小せぇんだろうな。
 たぶんペットボトルの蓋ぐらいの
 大きさだろうな」
北小岩 「本来テレビにうつっている人を見て
 こちら側の人がとやかくいうのに、
 テレビにうつっている人が
 先生のことを見て
 とやかくいっております」
小林 「内容は不本意やが、間違いないな」
北小岩 「ご覧下さい!
 キャッチボールの映像が
 流れておりますが、
 ボールが人を投げております!」

小林 「次は海や!!
 だが・・・」

何百万もの人間が向こうから押し寄せ、
そして戻って行く。
その動作を延々と繰り返す。
浜辺にたまった海水が、
波人間たちを眺めているのだ。

日本中の様々なものが逆になる珍現象。
それが何を物語るのかはわからない。
しかし、棹と玉の位置が逆になると、
たんたんたぬきの歌の一節
「♪か〜ぜもないのにぶ〜らぶら」は、
実状にそぐわないものと
なってしまうかもしれない。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2011-03-13-SUN

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