KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の参百拾壱・・・ビジター

「郵便でごわす」

せごどんかと思いきや、ススキのように細った、
眉毛の薄い郵便人であった。

北小岩 「ありがとうございます。
 どなたからでございましょうか。
 先生の大叔父さまからですね。
 先生!」
小林 「なんや。
 ウハウハ女体便でも到着したんか」
北小岩 「そうではございません。
 封書が」
小林 「小さな大叔父からやな。
 この薄さ、前バリ入りか」
北小岩 「いえ。
 透かしてみましたが、
 野球のチケットが
 入っているようでございます」
小林 「なになに。
 大叔父は弱小チーム贔屓で
 足しげく球場に通っとるが、
 エロ本の品評会と重なり、
 行けなくなったと。
 相手チームのホームゲームチケットやな。
 今から行けば、
 プレイボールに間に合う。
 ほな、急ぎまひょ」

二人は登板するわけでもないのに、
シャドーピッチングしながら球場へ。
外野スタンドの席に陣取ると。

小林 「予想はしとったが、それ以上やな」
北小岩 「相手チームのファンがほとんどですね」

ほとんどどころではない。
先生たちが応援するチームのファンは、
二人を入れて総勢5人しかいなかった。

ウグイス嬢 「ビジター応援席のみなさま、
 よくいらっしゃいました。
 伝書鳩ちゃんより、
 みなさまにメッセージです」
小林 「敵ながら粋なことを
 してくれるやないか」

真っ白な鳩が5羽、応援席に一直線。
あまりの愛らしさに全員、空を見上げて
口をポカンと開けた。
その口めがけ。

北小岩 「うぎょ〜〜〜!
 平和のシンボルだと思い、
 油断しておりました。
 鳩がフンというよりも、
 たちの悪い糞といった方がよさそうな、
 巨大なものをひりだしました!」

時すでに遅し。
ブツはノドの奥へ一直線。

ウグイス嬢 「私たちの伝書鳩ちゃんは、
 お前らに『糞くらえ!』と
 申しております」

小林 「・・・。
 今日は厳しい戦いになるで」

先生たちは細心の注意を払い、
スキを見せずに応援し続けた。
回を重ねて試合は中盤へ。
グランド整備の時間に、YMCAが流れた。
トンボで土をならしていた青年が、
こちらに向かってくる。

北小岩 「トンボの先に、
 本物のおっぱいそっくりの
 乳首がついております」
青年 「蒸し暑い中、ごくろうさまです。
 この乳首をおしゃぶりください。
 よく冷えたおいしいミルクが
 でてくるんですよ」

警戒していたはずの5人であったが、
あまりによくできた乳首の誘惑に
負けてしまった。

北小岩 「わたくし、
 なんだか興奮してまいりました」

それぞれの股間はもっこり。
その時、相手チームのホームラン王が
バットを手に近づき、ノックの要領で
一人ひとりの股間に球を打ち込んだ。
ボールはポールにうなりをあげて直撃。

ホーム
ラン王
「ポールに当たったんだから、
 ホームランだな。
 5点先取だ。あははは」


5人はあまりの鈍痛にうずくまったまま。
玉が割れているものもいるだろう。
電光掲示板には、
各々がよだれを流して乳首を吸っている
屈辱的な姿と、
股間に直撃をうけてうずくまる
なさけない姿が交互に大写しされた。

試合終了まで、手をかえ品をかえの
恐るべき攻撃が続くのだろう。
敵地に乗り込み応援するのも、結構大変ですな。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2010-09-19-SUN

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