KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百八拾四・・・三人


「ふぁ〜、
 気温がぬるくなってまいりました」

上半身裸体。
乾布摩擦用の手拭いには、女体の文字が。

「わたくしの体を、
 愛しき文字が行ったり来たり」

しなやかな手つきで円を描く。

「手拭いが人肌になってまいりました」

女体という文字だけで法悦にひたる。
なんと安上がりな弟子であろう。

「むわっ、
 そこでもぞもぞしていらっしゃるのは」

視界の片隅に、何かをとらえた。

「ひきがえるさんではございませんか」

体長12センチ。
毒液の使い手は、迷惑そうに弟子を見た。

「啓蟄はもう過ぎていますからね。
 カエルさんや虫さんが
 もぞもぞされているのですね。
 むぎょどん!」

50センチほど視線を移動させたところに、
奇妙なものを発見した。

「確かあの場所は、
 昨秋、先生が女性の秘所を枝で刻んだところ。
 そこから極太のフランクルフトが
 飛び出しております。
 もしや、啓膣では」

 

「何くだらんこと言うとるんや。
 頬張りながら門の前を通ったお嬢さんが、
 涎とともに落としたんや。
 供養の意味もかねて俺が挿した。
 それよりそろそろお前の友達がやってくる頃やろ」

弟子の友はエロ写真ファンが高じて、
写真家となった。
現在は、世界中を
人物写真を撮りながら旅している。

「ちんこには〜」

間抜けな声が響き渡った。

小林 「おお、久しぶりやな」
写真家 「先生。
 お元気でございましたか」
小林 「意味もなくビンビンや」
北小岩 「随分日に焼けて、
 黒光りしていますね」
写真家 「そうそう、
 世の中には自分に瓜二つの顔の持ち主が
 三人いると言いますよね。
 先生と北小岩くんに
 そっくりの男を見つけたから、
 写真におさめてきたよ」
小林 「どりゃどりゃ。
 おっ、これは『ごりっぱ族』やな。
 なるほど、
 俺にそっくりな男は天を衝く巨根かい」
写真家 「いえいえ。
 ごりっぱ族は北小岩くんですね。
 先生はこちら」

短小で有名な『小指の先族』であった。

北小岩 「ほんとに似てらっしゃいますね」

先生の表情が般若に変わる。

北小岩 「おっ、お顔がでございます」

小林 「もう一人は誰や!」
写真家 「パリはシャンゼリゼ通りで見つけました」
小林 「恋の都や。
 パリジェンヌをアヘアへさせとるんやろ。
 見せてみい」

写真にうつった男は、
女性の下着を咥えて警官に取り押さえられていた。
パンティ泥棒で捕まったらしい。

小林 「もうええわ」

世の中には三人同じ顔の人がいるという。
顔が似ているだけではなく、
モチモノや性行も瓜二つのケースが多いと、
言わざるを得ないであろう。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2010-03-14-SUN

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