KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百八拾参・・・駐


グググガガガゴゴゴー

「先生宅の10倍を優に超える豪邸が、
 取り壊されていきます」

ドドドべべべボボボー

「パワーショベルでえぐられるのは、
 寂しきものでございます」

家主から下着泥棒と間違えられ、
罵られたことのある北小岩くん。
心ぬくもる男は、屈辱にも頓着せず、
他家の最後に涙する。

小林 「なんや、Gカップブラでも
 恋しくなったんか」

デリカシーを遠き昔に置き忘れてしまった男が、
爛れたことを口走る。

北小岩 「人の創りしものは、
 なんと儚いも、うっ!」

師の指浣腸が弟子の菊門を的確にとらえた。
カッコよさげな台詞は最後まで言わせない。
モットーに忠実に行動した。

小林 「更地に何ができるのか、
 後日のお楽しみや」

間髪を容れず、後日がやってきた。

小林 「なんや。
 違法すれすれのストリップ小屋が建つと
 予想したが、まるっきりはずれや」
北小岩 「アスファルトの平地に『駐』の文字。
 駐車場なのでございましょうか」
小林 「それにしては、
 各スペースがまちまちやな。
 むっ、青虫が這っていくで」
北小岩 「極小のスペースに、
 駐虫場と記されております」
小林 「目ん玉の愛くるしいリスがやってきたわ。
 駐リス場もあるようやな」
北小岩 「向こう上面では、
 ピストンが卑猥に上下しております。
 駐ピストン場でございましょう。
 にゃほほっ、
 先生ご覧下さい!」

小林 「うにゅにゅ、これは!」

師弟がウハウハしたのもむべなるかな。
駐裸場の文字をいやらしい視線が舐めた。

小林 「もう俺はぼっきんぼっきんや」

奇跡と呼ぶのだろう。
匂いたつような全裸の超くびれクイーンが、
縦170センチ横100センチの地に、
仰向けの体勢をとった。

北小岩 「駐輪場?
 他に比べて
 極めて普通のものがございますね」
小林 「それにしては小さすぎる、
 5センチ四方では自転車は」
北小岩 「どひょ〜〜〜!
 乳輪がやってまいりました!」


誰のものかはわからない。
乳首付きの乳輪が、もぞもぞ動いてきたのだ。

小林 「この駐チュー場と言うのは」

想像通り、なまめかしい唇が留まった。

北小岩 「先生!
 満というランプがつきました。
 満車でしょうか?」
小林 「そんな単純なものやない。
 きっとマンがたくさん」
北小岩 「びょは〜っ!」

何が登場したのかは、あえて記さない。
通常、駐という文字を目にすると、
駐車場もしくは駐輪場を想起するだろう。
しかし、駐といっても
意表をついたものが数多ある。
心しておきたい。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2010-03-07-SUN

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