KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百四・・・息


北小岩 「突然、秋になりましたね」
小林 「散歩の距離も長くなるし、
 途中でエロ本を拾える可能性も
 高くなるわな」

俳句でもひねりながら歩けば風流と言うものであるが、
二人にそれを期待するのは無駄である。

小林 「ピピン!
 俺のアンテナが何かをとらえた。
 そこや!」
北小岩 「ブ・ラジャー!」

弟子が突撃すると、
電信柱の裏にみだらなパッケージの裏ビデオが
鎮座していた。

「どけどけどけ!!」

その時だった。
腰をかがめて取ろうとしている弟子に、
暴走自転車が突っ込んだ。
弾みで北小岩くんは倒れ、
犬の糞の上に手をついてしまった。

小林 「何するんや!」
暴走自転車 「うるせえ!
 たらたらしてんじゃねえ!!」

スピードを上げ、自転車は逃走してしまった。
だが10秒後。

暴走自転車 「うわ〜〜〜」

自転車は数十メートル先の電信柱に激突。
生意気野郎は転倒し、
北小岩くんが手をついた糞の三倍以上ある巨糞に、
顔から突っ込んだ。

小林 「見事や!」
北小岩 「わたくしには事態が飲み込めませんが、
 いい気味でございます〜〜〜」

弟子はしょっぱい涙を流しながら、快哉を叫んだ。
先生は道の途中に立っていた男のもとに駆け寄ると、
深々と礼をした。

小林 「息矢(いきや)の達人が、
 我が国にも数人存在すると
 聞いておりましたが、
このように近き場所におられたとは」
息矢の達人 「見られてしまいましたか」
北小岩 「息矢というのは何でございますか?」
小林 「あの糞野郎が倒れたのは、
 自分のミスやない。
 この方が、ヤツのケツの穴をめがけて、
 この世のものとは思えないほど
 強く鋭い息を吹いたんや。
 ヤツのアスホールはそのために変形し、
 バランスを崩した。
 もし頭に来たからといって、
 ぶん殴ってしまえば、
 ヤツよりも重い罪に問われてしまう。
 しかし、あいつも
 20メートル以上離れたところから
 息を吹かれたとは、夢にも思わんやろ」

息矢の達人 「あのような無礼な男は、
 許せませんからね」
北小岩 「そうだったのですか。
 ありがとうございました!
 すさまじい破壊力ですね。
 息矢は他にどのような時に
 使われるのですか」
息矢の達人 「例えば電車で
 お年寄りを押しのけて席に座る
 たわけを発見した時には、
 そいつが座るシートに、
 太く長い息を吹きました」
小林 「なるほどな。
 電車の席のつなぎ目に座ると、
 ケツが左右に分かれてしまう感じがして、
 不快な気分に襲われることがある。
 達人は無礼者の
 ケツの割れ目にくるように、
 太いつなぎ目を息で作ったんやな」

息矢の達人 「男は肛門を開かれる形で
 座り続けたために、
 しまいに便意をもよおし、
 もらしていたようです」
北小岩 「さすがでございます!」

衣食足りて礼節を知る。
だが、衣食が過剰とさえいえる日本の現状はどうか。
男女を問わず、礼を失した人が
増えている気がしてならない。
そんな人々を懲らしめるには、息矢が有効であろう。
みんな、習ってみようか!

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2008-08-31-SUN

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