小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を
一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の百六拾六・・・人形

「ほな、いってみよか」

何を思ったのか、季節はずれの肝試しに出る二人。
丑三つ時、それは珍峰(ちんぽう)という山での出来事。

カーンカーンカーン。

漆黒の闇から、不気味な音が漏れてくる。
青ざめた北小岩くんが。


北小岩 「先生、どうやらわたくしたちは
 禁断の地に
 足を踏み入れてしまったのでは
 ないでしょうか」
小林 「そうやな。だが気になる。
 身の安全第一で近づいてみよか」
摺り足でコナラの大木に隠れ、
たれ目をじっと凝らしてみると。
北小岩 「むっ、あれこそはワラ人形。
 しかし、形が若干異なるような気が
 いたします。
 それに釘がとてつもなく長いです」
小林 「何かわけありのようやな。
 話してみよか」
先生と弟子はワラ人形に
長すぎる釘を打ちつけている男を刺激しないように、
白旗を揚げて歩み寄っていった。
北小岩 「こんにちは。
 わたくしは北小岩と申します。
 決して怪しいものではございません。
 そして特別におちんちんが
 大きいものでもございません。
 ところで話はかわりますが、
 そのワラ人形さんは
 どこかおちんちんの
 カタチをしているような
 気がするのでございますが」
ワラ男 「これですか。これは‥‥」
小林 「まあ、男同士やないか。
 胸の内、べろんちょと吐き出してみい」
ワラ男 「実は妻が密通してましてね。
 相手の男に復讐するために‥‥。
 これはワラ人形の一種で、
 マラ人形Z(まらにんぎょうぜっと)
 と申します。
 間男のブツと同じ長さのモノを用意して、
 丑三つ時に69寸釘を打ちつけると、
 イチモツが不能になると
 言われているのです。
 マラ人形を木と垂直にし、
 釘を先端からずぶりといきます」
北小岩 「うぎょぎょ!
 お話だけでも機能を失いそうです。
 そのように怖ろしい呪いが
 この世に存在するなんて。
 夜もおちおち寝られません」
小林 「お前には人妻と懇ろになるなどという
 芸当はできんから、
 杞憂というもんや。
 しかし、どのようにして
 間男のチン長を測ったんや?」
「妻は私の留守中に
 男を引き入れていたようなのです。
 ですから、メモリ付きの
 特製コンドームを用意し、
 使わせるように仕向けたのです。
 箱には
 『愛のメモリ』と書いておきました」
小林 「なるほどな。
 そのコンドームを回収して、
 長さを推測したんやな」
「そうです。
 私の計測で間違いないと思います」
小林 「ところでこのマラの呪い、
 女にモテているヤツ全般にも
 使えるのかいな?」
「大丈夫でしょう」
先生の形相がにやけた般若に変わった。
先生は自分があまりにモテないため、
いい思いをしている男たちに
深い恨みを抱いているのだ。
翌日、マラ人形Zをつくり
丑三つ時に間に合うよう入山した。

カーンカーン。
小林 「あいつの粗チンなんて、こんなもんやろ。
 これでやつのブツもイチコロや。
 んっ?
 何だかちんちんが痛い。
 うっ、うおう〜〜!!」

マラ人形Zが、ターゲットのブツの長さではなく、
先生のと同じになってしまっていたのだ。
その場合、己のモノに呪いがかかってしまう。
あはれ、先生。
それから長期間、機能停止状態に陥る事となった。
だが、使い物にならなくなったところで、
先生にはいい思いをするチャンスなど皆無なので、
大勢に影響はないであろう。

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2007-09-09-SUN
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