小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。


其の百参拾伍・・・特例



「ただいま帰りました!
 あれっ、お客様でしょうか。
 大きな靴が二足ありますが」

小林先生が2ヶ月前に予約していたエロ本を取りにいき、
本屋から戻った弟子の北小岩くんがひとりごちた。
「なるほど!
 それほど立派なモノをお持ちでっか。
 あははは」。
ふすまの向こうから先生の陽気な声が響く。

北小岩 「おかしいですねぇ。
 先生は自分よりも
 大きなイチモツの方には、
 親の敵のように振舞うはずです。
 内容から察するに、
 先生と話されている方のブツが
 矮小であるとはとても思えません」
小林 「おお北小岩、戻ったか。
 こちらの方はな、
 学生スポーツ界でも1、2を争う
 巨根選手たちや。
 一人が野球、
 一人が相撲の英傑やな」
北小岩 「スポーツにおきまして、
 巨根は大いなる武器と
 なりえるのですか?」
珍棒優
(ちんぼう
 すぐる・
 学生野球界
 一の巨根)
「百害あって一利なしです。
 僕の場合、
 バッターボックスで構えると、
 イチモツが30センチほど
 ストライクゾーンに
 入ってしまうのです」
北小岩 「‥‥」
珍棒 「そこに当たっても
 デッドボールにならず、
 ストライクを
 とられてしまいます。
 それをいいことに、
 相手投手は標的を狙い、
 内角のボール球から
 ストライクになる変化球を
 投げ込んできます。
 痛いなどというレベルでは
 ありません。
 ベース上で何度失神したことか」
北小岩 「それは危険過ぎます!
 対処法はないのですか?」
珍棒 「ストライクゾーンの外側に、
 イチモツの形の分だけ
 特別なストライクゾーンを
 張り出させる。
 そのかわり
 旧来のストライクゾーンの
 イチモツに当てた場合は、
 デッドボールにするという
 特別ルールを適用するよう、
 今野球協会に交渉中です」
小林 「大きく逃げていくカーブが、
 特別ストライクゾーンの
 先っぽをかすめていったら、
 バットは届かんやろな。
 それだけ不利になるが、
 イチモツには
 かえられんというこっちゃ」
北小岩 「お相撲の場合は
 どうなるのですか?」
金土俵益男
(きんどひょう
 ますお・
 学生相撲界
 一の巨根)
「私の場合、
 前褌(まえみつ)から珍棒が、
 常に20数センチ
 飛び出した状態なんです。
 生身にするわけにはいかないので
 包帯を巻いていますが、
 ここを持たれてひねられると、
 ひとたまりもありません。
 まるで操縦桿で
 コントロールされたように、
 転がされてしまいます」
北小岩 「想像するだに恐ろしいことです」
金土俵 「ですから私も相撲協会に、
 珍棒を握るのは反則。
 そのかわりに
 前褌からまわしと同じ材質で、
 私のモチモノと
 同程度の突起物を出し、
 それをまわしの一部と
 見なしてもらうことで
 お伺いを立てています」
小林 「これも金土俵はんにとっては、
 猛烈に不利やな。
 だが、今のままでは
 いずれ如意棒は機能を失うやろ。
 またすべてを
 引っ張り出されたあげく、
 決まり手・もろだしで負けるのも
 男としてはあんまりや」
北小岩 「なるほど。
 何でもかんでも
 大きければいいというわけでは
 ないのですね。
 いつもと違って
 先生が上機嫌な理由が
 わかりました」

巨根に憧れる男は少なくない。
女性から「わぁ〜、大きいのね!!」と言われて
悪い気のする男もいない。
だが、それにも限度がある。
スポーツの世界では、極度の巨根は邪魔物でしかない。
巨根をうらやましがる際には、
そのようなこともぜひ考慮していただきたいものである。

小林秀雄さんへの激励や感想などは、
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2005-10-28-FRI

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