小林秀雄のあはれといふこと

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。


其の百拾九・・・王宮


「それは何をおいても、小林先生にお伝えせねば!」
裏中国史に通暁した
陳保臭(ちんぽしゅう)氏の語る奇談により、
北小岩くんの心臓は早鐘を打った。

北小岩 「お手数ですが、我が師宅まで
 ご足労願えますでしょうか」
数分後。
裏木戸がかすかに揺れる音を感じとり、
左手を股間にしのばせつつ
裏DVDを観賞していた小林先生がスイッチを切るのと、
弟子が闖入してくるのが同時であった。
北小岩 「先生、中国史に新事実ありです!」
小林 「ほほう、そうか。
 ところでそちらの方は?」
北小岩 「中国からの留学生で陳さんといいます。
 以前わたくしが公園で
 エロ本を拾得しておりましたところ、
 鉢合わせしたのです。
 彼がかなりの上物をゲットしていたので、
 わたくしの秘蔵のブツと交換し、
 それから懇意となりました」
「いうなれば、
 交換留学生というところですね」
小林 「‥‥」
北小岩 「それはともかく、
 先生が興味をお持ちの中国に、
 知られざる過去がございました。
 西暦69年といえば後漢。
 三国志の前ですね。
 歴史から完全に葬られていたのですが、
 その頃大陸のはずれに
 陰と茎という大地があり、
 ふたつあわせて陰茎と呼ばれる小国を
 形成しておりました」
「纏足は中国社会の奇習として有名ですが、
 驚くべきことに陰茎には、
 纏足ならぬ
 『纏ポコ(てんぽこ)』というものが
 あったのです」
北小岩 「小国ながら財に富み
 栄華を極めていた陰茎の国王には、
 たった一つの、
 しかし己の強大な権力でも克服できない
 致命的な弱点がありました。
 古来まれにみる短小包茎であったのです。
 ですから、とてもちんちんには見えないような
 みじめなイチモツを持った家来をそばに置き、
 自尊心を満足させようとしたのです」
「目をつけられてしまった男児は、
 おちんちんを極小のマッチ箱ぐらいの木器に
 入れられてしまいます。
 体は成長しても、
 その部分は箱以上の大きさにはなりません。
 箱の形状が平べったいので、
 イチモツもどこか
 ヒラメのようになってしまいます」
北小岩 「その恐るべき蛮行は
 今ではもちろん禁止されているのですが、
 現代でも秘密裏に行われることがあって、
 ここにその現物写真があるのです」
小林 「どれ、見せてみい!」
小林先生の目が光芒を放った。
イチモツが子犬のモノ並の先生は、
纏ポコのちんちんを見て優越感に浸ろうという
浅ましい了見を持ったのである。
小林 「むっ!」
「いかがですか?
 この世のものとは思えないほどの
 小ささでしょう」
小林 「まっ、まあな」

先生の顔がにわかに曇った。
信じられないことに、纏ポコされたブツよりも、
先生のブツは小さかったのである。

纏ポコ‥‥。
この世にこれほどまで忌まわしい暴挙があっただろうか。
纏ポコされてしまった男児は、
それ以降地獄の人生を送らざるをえなかったであろう。
だが、世の中には先生のように、
施されずしてそれ以下というおそまつな男もいるのだ。
それぞれの呪われた星を悼まずにはいられない。

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2004-10-10-SUN

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