不正解、食べられます!
オニナラタケ食

動物や昆虫の死骸から、枯木や倒木などなど、
森を歩いていると「死」をよく目にするので、
生と死について、ぼ~っと考えたりすることが、
頻繁にではありませんが、けっこうあったりします。

自分の感覚的には、
死は生の対極のようなイメージですが、
死は生の中に含まれているんですよね。

ぼくも、いつ死ぬかはわかりません。
明日かもしれないし、20年先かもしれない。

生物は必ず死ぬ、と言うと、
分裂して増える単細胞生物は死なないのでは?
という反論がありそうですけど、
聞くところによれば、単細胞生物も、
有性生殖(接合)による遺伝子の交換がなければ、
やがて死に至るそうです。

確実に言えることは、
生物は死ぬまで生きることができる、と(笑)。
死ぬまでしか生きられないのだから、
精一杯に、できるだけ丁寧に生きたいなあ、
と、強く思うわけです。

ナラタケの仲間は、
生きた樹木にとりついてその栄養を略奪し、
やがて死に至らせる「寄生菌」でもあり、
樹木病原菌などと呼ばれて、
林業関係者からはけっこう嫌われたりしてますが、
自然というか森のサイクルからすれば、
樹木を間引きして森を活性化させる、
という役割を担っているとも言えるわけで、
人間の都合だけで悪者にするのはちょいと可哀相かな。

自然がつくったもので必要ないものなんて、
ひとつもないんですよね。

オニナラタケは、別名ツバナラタケとも呼ばれ、
初夏から晩秋まで、けっこう長きにわたって、
生木、枯木の、根株や幹で見ることができます。

傘の直径は4~14cmほど。
赤褐色~暗褐色でささくれ状の鱗片が見られます。
柄の上部は薄いベージュ色で、顕著なツバがあり、
下部は褐色~黒褐色で鱗片があります。

ナラタケの仲間は何種類かあり、
外見も大きさもけっこう違ったりするのですが、
全部一緒くたにされて、
北海道では「ぼりぼり」、
東北地方では「もだし」などと呼ばれ、
味がよく、いいダシが出るので、
森の味覚として親しまれています。

ただし、生食は禁物。
消化を阻害する酵素が含まれていたりもするので、
たくさん食べるとお腹を壊すことがあります。
食べ過ぎにはご注意を。

しかし、まあ、きのこの生き方の多様なこと。
知れば知るほど、奥が深く、さらに魅力が増します。

ちなみに、オニナラタケは、
世界最大の生物、なんて言われることがあります。
詳しくは、こちらを……。

このコンテンツでは、
				きのこの食毒に触れてますが、
				実際に食べられるかどうかを判断する場合には、
				必ず専門家にご相談ください。