食毒不明。疑わしきは食せず。
シロコナカブリ 食毒不明
写真と文章/新井文彦

傘の直径が5mm前後で、長さも2cm程度。
その名のとおり、全体的に、粉をかぶってます。
森で、這いつくばるように探さないと、
まず出合うことができない、微小きのこです。

食毒は、不明。
小さいし、怪しげな粉をかぶっているし、
まあ、普通は、食べたいとは思いませんよねえ。
いつか、誰かが、調べてくれることでしょう……。

日本にはおよそ5000種類のきのこがあり、
そのうち、名前がついているものが、
2500〜3000種類くらいだと言われてます。

詳しい部類のきのこ図鑑といえども、
収録数は、多くて、1000種類くらい。

つまり、
日本で見られるきのこの約半数は、
食か、毒か、わかるどころか、
名前すらついてない状態で、
いざ、詳細な図鑑で調べようと思っても、
5つに1つしか掲載されてないわけです。

加えて、成長段階における色や形の変化、
個体差などを考慮しなければならないので、
知らないきのこのことを調べるのは、
すごく大変なんです……。

何はともあれ、
知らないきのこは絶対に食べない!
死にたくなければ、鉄則です。

ところで。
目の前にあるきのこを、「科学の目」で、
じっくりと観察することはすごく大切ですが、
それとは別に、想像力や妄想を働かせるのも、
また、ニンゲンならではの楽しみ(笑)。

で、この写真の、シロコナカブリ、
遺伝子的には、同一のクローンなのでしょうが、
物語的に想像をふくらませると、
つい、男女のカップルに見えてしまいます。

あなたは、どんなストーリーを想像しますか?

※このコンテンツでは、 きのこの食毒に触れてますが、 実際に食べられるかどうかを判断する場合には、 必ず専門家にご相談ください。
 
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