三平くんの話をしましょうよ!
山下
映画『釣りキチ三平』の話をしていたら、
小木曽さんからとんでもない発言がありました。
コギー
そんな大げさな(笑)。
山下
だって、すごいじゃないですか。
「映画に出たことがあります」って。
コギー
むかしの話ですって。
山下
あの、つまり、俳優だったことがある?
コギー
いやいやいやいや(笑)。
山下
そういえば小木曽さんは、
松方弘樹さんに似ています。
コギー
(笑)
山下
言われませんか? 似てるって。
コギー
ははは。
山下
よく言われますでしょ。
コギー
糸井さんには言われました。

山下
釣りが好きなのも一緒だ‥‥。
ま、それはともかく、どんな映画に出たんです?
コギー
いや、あのね、学生時代、
ぼくは京都の大学に行ってましてね。
学生寮に入ってたんですよ。
そうするとね、たとえば大映さんとかが、
たくさん人が必要な場面のために
声をかけにやってくるんですよ。
学生寮なら一度に集められるでしょ?
山下
あ、ああ〜、
つまりエキストラということですか。
コギー
そうそうそう、それそれ。
山下
なるほど‥‥ああ、びっくりした。
ほんとに俳優さんだったのかと‥‥。
ちなみにどんな映画のエキストラを?
コギー
山下
『兵隊やくざ』(笑)。
コギー
あったんですよ、そういう映画が。
山下
『大魔神』は知ってます、
子どものころに観ました。
コギー
エキストラに出るとね、
1時間100円くらいもらえるの。
山下
へええ〜。
コギー
でもね、ある日、
1日3000円という仕事がやってきたんです。
山下
お、それはちょっと大きい役?
コギー
それが『大魔神』なんですけどね、
撮影が11月だったんです。
嵐の中で子どもが
川に流されるシーンがあって、
ほんとに子どもを流すわけにいかないでしょ?
だからその役を、友だち4人でやりました。
山下
‥‥小木曽さん、それエキストラではなくて、
スタントマンなのでは?
コギー
うん。
いやー、寒かった!
山下
ということは『大魔神』のどこかに、
小木曽さんが映ってるんだ。
コギー
ぼく、観たんですよ完成した映画を。
子ども4人が川を流れてて、
「前から2番目に流されてるのがぼくだ!」
山下
ちゃんとわかった(笑)。
コギー
あと『大魔神』では、
火あぶりにされるお姫さまの下で、
薪に油をくべる男をやりました。
山下
ははははは! 油をくべる男!
同じ映画の中で「川に流される子ども」と、
「油をくべる男」をやったんですか?
コギー
いや、『大魔神』はおかげさまで人気だったんで
シリーズで何作かあるんです。
どれに出たかは忘れちゃいました。
山下
へえええ〜。
‥‥って小木曽さん、たいへんです。
いつのまにか映画『大魔神』の話になってますよ。
コギー
いやいや、山下さんが訊くから(笑)。
山下
そうですね、失礼しました。
さあ、三平くんの話をしましょう!
コギー
うん、三平くんの話を。
山下
小木曽さんからみて、どうでしたか、
三平くんの釣り竿さばきは。
コギー
たいしたもんですよ。
映画の最初は鮎釣りではじまるでしょ。
山下
はい、そうでしたね。
コギー
いや、あのね、鮎釣りなんていうのはね、
大人でもなかなか竿さばきがむずかしいですよ、
そこそこ練習しないと。
山下
それを主演の須賀健太くんは‥‥
コギー
うまかったですよねえ、感心しました。

山下
魚紳さんはどうでしたか。
演じたのは塚本高史さんでしたが。
コギー
そりゃあもう、きれいな釣り姿でしたよ。
山下
釣りに詳しいファンもたくさん観るでしょうから
やっぱり技術的なところで
イメージをくずせないので
役者さんはたいへんだったでしょうね‥‥。
コギー
あのね、ぼくはね、三平くんのシリーズでは、
渓流のやつがいちばん好きなんですよ。
山下
ああ、はい、
漫画の三平くんはいろんな釣りをしますからね。
海でも池でも。
それがこの映画は渓流が舞台でした。

コギー
それ、うれしかったですねえ。
やっぱり三平くんは渓流が似合う。
麦わら帽子の少年が釣り竿を持って
渓流に立っているあの景色は、
いいもんですよねえ。
山下
原作者の矢口高雄先生が描かれる
三平くんの世界は、
自然の描写というか、
背景がものすごく細かくて
きれいに描かれてますからね。
まさに、あのイメージでした。
コギー
あんなすばらしい場所で、
大きなイワナとかをね、
ばんばん釣るんだから
三平くんがうらやましいですよ(笑)。
山下
そう、大きいの釣ってました!
これでもかというくらいの。
コギー
うん、
ダイナミック。
山下
どのくらい大きいかは、
やっぱり映画を観ていただきたいですね。
ある意味でファンタジーだと思うんですが、
そっれはそれは、大きいです。
コギー
ぼく、びっくりしましたよ。
えー、ここまで!?(笑)
山下
ねえ、たのしかったですよね。
月並みですが、夢がありました。
コギー
うん、そうだね。
山下
‥‥あの、ちなみに小木曽さんが
いままで釣った中で
いちばん大きな魚っていうのは?
コギー
それはね、ぼくの場合はヒラメですね。
山下
あ、ヒラメを。
コギー
あれは大きかった。
山下
どのくらいですか。
コギー
ええと、このくらいはあったね。

山下
おお〜、それはなかなか。
‥‥あの、もしかして小木曽さん、
携帯に画像があるのでは?
コギー
ええ?! いやいやいやいや(笑)。
山下
あー、あるんでしょお(笑)。
見せてくださいよ。
コギー
‥‥そお?
まあ、ちゃんとね。
携帯に取り込んであるわけですよ。

山下
やっぱりだ(笑)。
コギー
ええと‥‥(携帯をチコチコいじる)
データボックスのマイピクチャーの‥‥。
ああ、あったあった、これです。

山下
あ、すごい。
コギー
すごいでしょ?
山下
大きい!
コギー
うん。
山下
大きい!
コギー
これを釣ったときはほんとに、
「やたー!」って‥‥
山下
ま、まってください小木曽さん、
いつのまにか
『釣りキチ小木曽さん』の話になってます。
コギー
あ‥‥。
山下
三平くんの話をしないと。
コギー
いやいや、山下さんが訊くから(笑)。
山下
失礼しました。
(もう1回だけ、つづきます)
2009-04-04-SAT
(C)2009「釣りキチ三平」製作委員会

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