もくじ
第1回その人特有の「色」が見えた。 2017-04-18-Tue
第2回「あれは、珊瑚の色」。 2017-04-18-Tue
第3回色の組み合わせを考えるのは楽しい。 2017-04-18-Tue

京都・かもがわの近くに住んでいます。
普段は糸の専門店で情報を発信したりデザインの仕事をしたりしています。

わたしの好きなもの</br>さまざま「色」。

わたしの好きなもの
さまざま「色」。

担当・サク

第2回 「あれは、珊瑚の色」。

色の魔法に魅了されるきっかけになった
もうひとつのエピソードは、小学4年生の時。
家族旅行で、生まれてはじめて飛行機に乗って
ロサンゼルスに行ったときのこと。
行きの飛行機での出来事だった。目の前に、雲!空!
長時間の飛行機が楽しくてずっと窓から景色を見るのが
楽しかった。
「今、サンフランシスコを付近を通っています。」
というようなアナウンスが流れたときも、席を離れて
窓の景色を見に行った。少し高度を落としていたから、
空の下に広がる海がよく見えた。
その景色を見たときの衝撃は忘れられない。
自分がよく知っている海の色ではなかったのだ。
それは、ピンクと、オレンジと、ちょっとだけ淡いブルーと
濃いグリーンのグラデーション。
あまりにびっくりして、そばにいたフライアテンダントの
お姉さんに「なぜ海は青だけじゃなくてピンクとオレンジ
なの?」と聞いたら、
「あれは、珊瑚の色」。と教えてくれた。
雷に打たれたような衝撃だった。あのとき先生が
言っていた「そこに住んでいる生き物の色」は、
こういうことだったのか!
初めての飛行機よりも、初めての海外旅行よりも、
1番の衝撃が、行きの飛行機から見た、海の色だった。
コーラルという色の名前もこの時に覚えた。

この衝撃がきっかけで、赤、青、黄色、という以外に
名前だけでイメージ出来る、色と色の名前の虜になった。
サンセットブルーはハワイで見た、日がしずむ瞬間の色。
ラベンダーやライラックは、その花が1番きれいに
咲いている時の色。きっと空の色や雲の色がよく似合う。
ミッドナイトブルーは、真夜中の、深いふかい黒に近い、
でもまっくらやみではない、少しだけ空の青で、
ちょっぴり大人なイメージ。
「わたしの好きなもの」を追っていったら、そんな小さな
ときの出来事から全て派生されて、今に至ったのだと
気づいた。
そして今、私は色が身近な存在として、色を作ったり
色の名前を考えたり、ものを作ることをしている。

(つづきます)

第3回 色の組み合わせを考えるのは楽しい。