もくじ
第0回ゆるーくほっこりする温泉とことば 2016-11-08-Tue

群馬県出身。大学3年生。
サッカー歴15年。
温泉歴は7年。
温泉という場所が好き。
温泉で話すのが好き。
温泉でのことばは透き通ってる気がします。

ゆるーくほっこり。温泉とことば。

ゆるーくほっこり。温泉とことば。

担当・けみくん

テーマ「私の好きなもの」
自分の「好き」に向き合ってみると、
色んな「好き」があって難しい。

好奇心旺盛で、
ミーハーなぼくは語りたい「好き」が多い。

ふいに、頭をよぎったのは
「好きなもの」は「ことば」。

糸井重里さん(以下糸井さん)の「ことば」が「好き」だから
「ほぼ日の塾」にも応募した。

でも、糸井さんの「ことば」について
そのまま書くのはじぶんの「好き」に
向き合っていると言えるのか。
うーん、難しい。

あ、もうひとつ見つけた。
いい「ことば」が生まれやすい場所。
「温泉」だ。

いいことばが生まれるのは
だいたい温泉につかっているとき。

温泉に入ると
みんなほっこりするから「好き」。

「ことば」が生まれ、
語る場所としての「温泉」。
みなさんものびのびとほっこりしてみませんか。

ゆるーくほっこりする温泉とことば

僕は温泉が大好き。
週一以上のペースで通う。

理由は、地元の群馬県に温泉がたくさんあるから。
幼いころから温泉が身近だった。

群馬県はこれといった魅力が少ない。
観光資源は山と温泉だけかもしれない。
毎回、魅力度ランキングでは最下位争いをしてるくらいだし。

でも、温泉は自信をもっておすすめできる。
県内に名の知れた温泉地が、
5つもある。
草津温泉、水上温泉、四万温泉、伊香保温泉、万座温泉。

この温泉地以外にも、
県内の至るところに温泉施設があり、
憩いの場になっている。

自分もよく利用させてもらった。
サッカーの練習などの後は、
いつも温泉にいって、
身体をねぎらい、癒した。

温泉に入りにいくのは、
疲れが癒されるからだけではない。

ともだちと温泉にいくと、
距離が近くなれた気がした。

服という一種の鎧を脱ぎ捨てて、
入る温泉は身もこころも裸にしてくれた。
人と人の距離がいちばん近くなる。
お酒を一緒に飲むよりも仲良くなれる。

たとえば、
ともだちとけんかがあったとき、
いつも仲直りするのは、温泉だった。

たぶん、温泉に行かなければ、
つまらない意地をはって、
余計に仲がこじれていただろう。

でも、温泉に入っていると、
気分がほぐれてきて、
ほろっと本音をこぼしてしまう。
その本音がお互いの勘違いを
解いてくれる一言になったりした。

親友とも温泉へ。
普段聞いたことない話が聞けたりして、
知らなかった一面が見える。
より仲良くなれたのは言うまでもない。
裸になって初めて気づくこと。知ることばかり。

一人でも温泉へ。
普段は気付かない自分の本音に気付くばしょ。
温泉に入ることで考えごとしかできなくなる。
これは経験則だけど、普段と違う考えが浮かぶ。
考えごとをするのには、さいこうの環境。

温泉以外でほっこりできるものがもうひとつあった。

糸井さんの「ことば」だ。

糸井さんの「ことば」に
はじめて出会ったのは
18歳のころ。

父が「ほぼ日手帳」を家族全員分と、
「ボールのようなことば」を一冊買ってきた。
なんで突然買ってきたのか、
わからないけれど、
ページの下に書かれた「ことば」に惹かれ、
その「ことば」を生み出した人は
糸井さんというらしい。
同じ群馬県出身ということもあって、
かってに親近感が湧いた。

かってに親近感をいだいたけど、
糸井さんとは同じ出身地なだけで
ぜんぜん身近じゃない。
直接会ったことだって2回で
それも自分が一方的に覚えてるだけ。
年齢だって46歳も違う。

なのに、糸井さんのことばは、
まるでいいおにいちゃんが話してくれるように
あたたかくこころに染みこんでくる。

あたたかくて
やさしいことば。

ぼくにはおにいちゃんはいたことないけど、
理想のやさしいおにいちゃんのいいことばを
聞いている錯覚におちいる。

この本を読むと、
温泉につかったかのように
ほっこりする。

その感覚を味わえる
糸井さんのことばが「好き」だ。

なんでこんなに「好き」なんだろう。
糸井さんのことばには
秘密の隠し味がある気がしていた。

最近、その隠し味がわかったような気がします。

「ほぼ日の塾」は会社内で行われていて、
そこで見る社員の方々は、
自由でのびのびと仕事をされているように見えた。

もちろん、素の状態ではないかもしれない。
のびのびと仕事をしてることが、
あのほっこりとする感覚につながっているのかな。

会社のことばもありました。

前に、「いい会社とは?」という質問に対して、
吉本隆明さんが、こう答えてくれたことがありました。
「いい場所にいい建物があって、日当たりがよくてさ、
近所にお茶を飲んだりできるところがあったら、
毎日来てもいいやって思いますよね」
そのときには、わぁ、そう来たかと思いましたが、
「そうか、そうしよう」と実践してきました。

(糸井重里「ふたつめのボールのようなことば。」196ページより)

その実践があの雰囲気につながるんですね。
その「いい会社」が糸井さんの「ことば」の
隠し味になっているんだろうなぁ。

いつか自分もそんな「ことば」を
生み出せるようになりたい。
がんばろうっと。

糸井さんもお風呂で考えるみたいですよ。

風呂につかって考えた。
世界なんて、ころころ変わる、おれの機嫌しだいでね。

(糸井重里「ふたつめのボールのようなことば。」173ページより)

他には落ち込んだ時に
おすすめのほっこりできる「ことば」です。

「ありがとう」は、親しい者にも言えます。
「ありがとう」は、親しくない者にでも言えます。
「ありがとう」は、それどころか、敵にさえも言えます。
そして、その「ありがとう」は、
親しい者は、親しくない者も、敵も受け取れます。

受け取る「ありがとう」が欠乏すると、
生きる張り合いが減っていくんじゃないでしょうか。
そして、差し出す「ありがとう」がなくなると、
不機嫌が増加していくような気もします。

なんだろう、この魔法のようなことばは。
人間のこころの栄養素みたいですね。

(糸井重里「ふたつめのボールのようなことば。」123ページより)

ありがとうって言う方も
言われる方も
あたたかくなれますよね。

温泉にいってほっこり。
糸井さんの「ことば」を読んでほっこり。
のびのびとほっこり。
ゆるやかにがんばっていきましょう。