うれしいこと

◆◇◆ちょっとうれしかった出来事◆◇◆
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毎年冬になると、青森の叔父から、
大きなダンボールに入った
たくさんのリンゴが届きます。
まだ私が小学校に入る前に、
一回だけ会ったことがあるらしいのですが、
ほとんど顔も覚えていません。
それでも実の娘のように、
とても可愛がってくれるのです。
叔父さんの家は、
リンゴ農園を経営しているので、
収穫期を迎えると、
毎年必ず送ってくれます。
身内ということで、
多少“傷あり”のりんごなのですが、
味の方は、もちろんピカイチ。
実家にいたときは、
それこそ姉妹で争うように
食べていたのですが、
皆んな大好物なので、
あっという間になくなってしまいます。

数年前、
私が一人暮らしを始めたことを知ると、
叔父さんは実家とは別口に、
わざわざ私のアパートにまで
送ってくれるようになりました。
そして、年頃の娘に
“傷もの”を送るのは忍びないといって、
それはそれは綺麗な、
市場に出すような品物を
届けてくれるようになりました。
そんな叔父さんの心使いが
とても嬉しく思うのです。
一人アパートで食べるリンゴは、
幼少の頃からそのままの味で懐かしく、
本当は顔さえ知らない叔父を
思い出させてくれるかのようです。

リンゴのお礼を言うときの電話が、
叔父と話す、
年にたった一回の機会なのですが、
叔父さんの“津軽弁”は、
正直言って何を話しているか、
まったくわからないほどの
すごい訛りなのです。
合い間に聞こえる「リンゴ」だとか、
「青森」とか、
かろうじて知っている単語があるので、
日本語なんだと
判明できるくらいなのですが、
意味はまったくわかりません。
それでも叔父さんの暖かさは
痛いほど伝わってきます。

今日も帰宅して、
アパートのドアを開けると、
なんともいえない甘酸っぱい、
美味しそうなリンゴの香りに
出迎えてもらえることが、
何よりの楽しみなのです。
(こんぱす)

夕方、台所から母の悲鳴が。
何事か!?と行ってみると
「包丁で手首ちょっと切ってしもた。
 アボガドの種を包丁で
 とろうとしたら滑ってしもてん。
 もうちょっと深かったら
 大動脈か大静脈かなんかが切れて
 ドバーッなってたとこやったわ。
 えらいこっちゃ」
私がバンソコをはっている間、
ひとりでしゃべりつづける母。
「こんなとこにバンソコはってたら
 自殺しようとしたみたいやな。
 そんなことするかいな。
 こんな幸せやのに」
かわいい母である。ありがとう。
(大阪府・マミ)

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ドラマやドキュメンタリーには
ならないかもしれないけど、
ちょっと、うれしかった出来事を、
スナップ写真のように紹介してゆきますね。

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(担当者・木村俊介)

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