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ぼくが代表できるのは「ジョニー・ウィアー」だけ。
I Represent Johnny Weir


糸井
Itoi
偶然なんですけど、
あなたが裏のトウモロコシ畑で
はじめてスケートをしたころと、
ぼくらのこのウェブサイトがはじまったころって
おんなじ時期なんですよ。
12年前とか、13年前とか、でしょ?
Your skating career started in the corn fields, twelve or thirteen years ago. It happens that our web site business started around the same time.
ジョニー
Johnny
そうですね、13年前。
Yes, I started thirteen years ago.
糸井
Itoi
どうだろう、その13年って、長かったですか?
Looking back, were those thirteen years long for you?
ジョニー
Johnny
13年というあいだには、
時間の進みが亀の歩みみたいに
のろいなと感じる時期もあったんですけど、
いまになってこの13年間を振り返ると、
もう時間があっという間に過ぎてしまって、
どこに行っちゃったんだろう?
いつの間に自分は26歳にもなってて、
いつの間にここまで来ちゃったんだろう、
という感じがします。
There were days that I felt that everything was moving like a turtle. However, when I look back at those thirteen years now, it seems as though they flew by. I don't know where the time went, I don't know how I got to be twenty-six years old. I don't know how I made it here so quickly.
だからこそ、今は、瞬間瞬間を
大切に生きなきゃいけないんだな
っていうことも感じています。
若いころはそんなこと考えなかった。
そう、いまはもう、本当に
時間が過ぎるのが速すぎるみたい。
I learned through the years that you need to love every moment that you have because time does fly by. When I was young I didn't think like that. Now, it seems like it's even too fast.
糸井
Itoi
ぼくがもし、過ぎた12年について
同じ質問をされたら
同じような話をしたんじゃないかな。
If I were given the same question, my answer would have been very similar.
ジョニー
Johnny
やっぱり、深い絆がありますね。
Like I said, we're like kindred spirits.
糸井
Itoi
(笑)
(Laughs)
ジョニー
Johnny
ぼくらは同じなんだと思う。
We are very similar.
糸井
Itoi
これからさきの時間は、
あなたのほうがずっと長いけどね(笑)。
ぼくは、ここまでがずいぶん長かったから。
Yes, but you have more time left than I do. It takes quite a while to come from where you are to where I am.
ジョニー
Johnny
でもね、つぎになにが起きるかなんて
わからないじゃないですか。
True, but at the same time, you never know what happens next.
糸井
Itoi
そうだね、わかんないね。
ぼくはみんなに千年生きるって言ってるし。
No, you don't. Plus, I'm telling everybody that I'm going to live a thousand years.
ジョニー
Johnny
ああ、ぜひ(笑)。
I hope so. (Laughs)
糸井
Itoi
ロシアにも行かなきゃいけないし。
We have to go to Russia, too.
ジョニー
Johnny
もちろん。あと、日本にも。
Of course. We have to go to Japan, too.
糸井
Itoi
うん(笑)。
Yes we do. (Laughs)
ジョニー
Johnny
なんか、すごくきれいで、
すばらしいところみたいですから。
I hear it's so beautiful, so wonderful.
糸井
Itoi
そう、もうひとつ言いたいことがあった。
あなたのドキュメンタリーを見て、
思ったことなんですけど、
あのなかで、あなたを批判する、
こんな発言が出てきますよね。
「彼は、私たちのコミュニティを
 代表していない」って。
でも、誰もなにかのコミュニティを
代表することなんて、ほんとはできない。
それを誰よりも表現しているあなたが、
みんなの前に立っている。
それがぼくはすばらしいなと思ったんです。
Oh, there's another thing I wanted to say. In the documentary film there was a person commenting that you are not representing his community. When I heard that, I thought that nobody can represent any community. The wonderful thing is that you are standing in front of so many people and not representing any community.
ジョニー
Johnny
ありがとう。本当にそうだと思います。
Arigato. I agree.
この世の中に、なにかの定義なんて
ほんとはないはずだと思うんですけど、
定義づけたい人って、
たくさんいるんですよね。
すべては相対的で、
絶対的な決めつけなんてないはずなのに。
I think there is no definition in our lives. There are just a lot of people that try to make a definition. It's all relative, and nothing is absolute.
ぼくが代表できるのは
「ジョニー・ウィアー」だけ。
誰かについていくことには興味がなくて、
自分がついていきたいなと思うのは、
自分の魂とハートだけです。
ぼくにはそれで十分。
誰かに受け入れてほしいとも思わない。
I don't represent any community because I represent Johnny Weir. I have no interest in following anyone. I follow myself. I follow my heart and soul, and that's enough for me. I don' feel I need to be accepted by anyone.
それぞれの人たちがいて、
それぞれのコミュニティがあるってことを
認め合って、尊重し合うような
世界になってほしいなと思います。
There are different communities and different people. I ask the world to accept and respect that.
糸井
Itoi
あなたがオリンピックの演技で
ぼくらに伝えてくれたのは
そのことをぜんぶ表現してると思うんです。
Through your performance at the Olympics, I think you portrayed your message in all respects.
ジョニー
Johnny
そうだといいな。
I hope so.
糸井
Itoi
そうですよ。
You did.
ジョニー
Johnny
ありがとうございます。
Thank you.

To Be Continued......

2010-09-08-WED